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なぜ人間の赤ちゃんは仰向けに寝ることができるのか? ~発達心理学の視点から~

2024年11月03日 9:00

人間の赤ちゃんだけが、他の動物たちの赤ちゃんと違い、出産直後から仰向けに眠ることが出来るユニークな存在であることが、発達心理学の分野で取り上げられています。他の動物たちは母親が常に肌身離さず赤ちゃんを咥えて運んだり、寄り添って隠したりしてケアを行いますが、二足歩行をするようになり、産道が長く細くなった人間の出産はとても大変。お母さんは生まれてすぐの赤ちゃんを抱き続け、ましてや入浴させて、等々はとてもできません。産後の回復にも時間が必要です。

人間の赤ちゃんは、生まれた瞬間から、母親のみならず、他者の手助けを必要としているのです。10か月以上もお母さんのお腹の中でじっくりと育つ赤ちゃん。胎内で6か月を過ぎたころにはもう聴覚の機能は確立し、生まれる前から、母親の声や自分を取り巻くであろう環境の様々な音を聴いて脳を発達させていきます。

生れ出た赤ちゃんは仰向けにどっしりと横たわって、母親はもちろんのこと、自分の世話をしてくれる他者との情動や声の交流を獲得し、それが「言葉」の発達の基盤となるのだそうです。

赤ちゃんの安定した仰向け姿勢は、母と子の間に必要とされる他者の介入の余地を与え、子育てを集団的・社会的に成立させるための必然であると言えるというのです。さて、ここに保育園の大きな使命が関わってきます。

乳幼児期の子どもたちと母親にとって安心して委ねられる、適切な関りと安全な環境を提供できる存在として、保育士はこれからさらに社会の中で必要不可欠な、大切な存在となっていきます。

参考文献:竹下秀子著「赤ちゃんの手とまなざし~ことばを生みだす進化の道すじ」

(2001年、岩波書店)       川田 学著「子どもの成長における保育所の重要性―発達心理学の知見を

踏まえて」(2021年、明石書店『保育の質を考える』より)

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