保育士コラム
保育士コラム
公開日:2022年9月13日 更新日:2024年2月20日
保育士を目指している方でも、保育士の仕事内容や仕事の進め方、スケジュールが把握できず、実際にどのように子どもたちの保育をしているのか、どのような流れで仕事を進めているのかを具体的にイメージすることが難しく、詳細な仕事内容が気になっている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、保育士の仕事内容をはじめとして、仕事の進め方や行うべき内容を、1日のスケジュールの流れとともに詳しく解説します。
目次
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保育士の仕事内容というと、保育園に通う子どもたちの世話をイメージする方が多いものです。確かに、子どもたちの食事や睡眠、衣類の着脱やトイレのサポートなどの生活全般のお世話や、子どもたちと一緒に遊んだり見守りをしたりすること、遊んだ後の後片付けなどは保育士の代表的な仕事内容ですが、それ以外の業務も少なくありません。
まず、子どもの保護者との間でやり取りをする連絡帳の記入や、その他の保護者対応も保育士の仕事です。保育園での配布物の作成、教材の考案や準備などのデスクワークも比較的多く、子どもたちが帰った後は園内の清掃や設備点検なども行います。
保護者だけにとどまらず、保育園の所在地域との交流やイベント立案・実行なども行うこともあり、さらにキャリアアップのための外部研修への参加も、仕事内容に含まれることもあります。
昨今では多様なニーズに応えるため、朝7時頃から子どもを受け入れ、夜は19時、20時まで延長保育を行っている保育園も多く、その他、夜間保育、休日保育といったさまざまなかたちの保育が行われるようになっています。そのため多くの保育園では、ローテンション勤務(シフト制)をしており朝や夜間のこどもと保護者にも対応できるように時間差出勤をしています。
保育士は乳児から小学校入学前の保育を必要とするこどもを預かり、保護者に代わり保育することが仕事の中心です。保育士として最もやりがいを感じるのはこどもの成長を日々そばにいて感じられることです。こどもが自分を必要としてくれて「ありがとう」と返してくれたりかわいい笑顔をみられたりするのはとても嬉しく感じます。
保育士の仕事はこどもたちと直接関わることだけではなく、こどもの様子を保育日誌などの記録にとることや、こどもの健やかな育ちのために、保護者や他機関との連携をとることも重要な仕事です。朝、こどもの健康状態に気をつけながら受けいれ、年齢や発達にあわせた遊びや活動、生活等の体験を通した総合的な関わりの中で成長の援助を行っています。
子育ての不安や悩みを保護者と共有し、支えていくことなど多様な支援が求められています。
保育士の働き方はシフト制が多く、早番と遅番の2交代制、または早番、中番、遅番の3交代制など保育園によって異なります。シフト制の場合はどの時間帯に働くかで時間帯が異なってきますが、以下ではごく一般的な保育士の1日のスケジュールを時間ごとにご紹介します。
保育士が1日の中でどのような仕事をしているのか、これから保育士を目指す方はぜひ参考にしてください。
最も早い時間帯で働く早番のシフトの場合は7時から勤務スタートの場合もあるため、遅くとも6時45分までには出勤することが多いでしょう。出勤後は、朝礼を済ませて開園の準備を行います。
早番のシフトは園児が登園する前に業務開始となるため、園内の掃除や設備の確認を行います。また、シフトにかかわらず保育士は勤務開始前に当日のスケジュールや仕事内容のチェックも必要です。
このように7時30分までには準備を進め、子どもたちを迎えます。
保育園や子どもによって登園時間は変わりますが、時間外の早朝保育を行っている保育園では7時頃から、一般的には7時30分~9時の時間帯に保護者とともに園児が登園します。保育士は一人ひとりに挨拶をしながら出迎え、保護者から連絡帳や荷物を受け取りつつ申し伝えのヒアリングを含めたコミュニケーションも取ります。
その際、子どもの顔色をチェックして体調が悪くないかどうか、健康状態の確認も必要です。
もし体調が悪そう、いつもと調子が違うと感じる子どもがいた場合は、保護者に子どもの体調をきちんと確認をして、他の保育士と連携して健康状態や出欠状況の確認も行います。お出迎えした時点で調子が悪そうな子どもを預かった場合は、保育開始後も体調に異変がないか随時見守りが必要です。
子どもたちの登園が終わったら、職員と園児全員がホールなどに集まって朝の会を行います。朝の会の内容も保育園によって違いがありますが、朝の挨拶や出席確認から始まり、朝の歌を歌う、朝の体操をするほか、出欠確認やその日に気をつけたもらいたいことなどの申し送り、今日のスケジュールの確認などを行うのが一般的な内容です。
幼児向けの当番での活動をしている保育園では、朝の会で当番を発表することもあります。
朝の会が終わったら、年齢別のクラスに分かれての保育の開始です。担任や副担任を任されている保育士は自分のクラスの園児を担当しますが、担任や担当が決められていない保育士も、状況に応じてサポートを行います。
各クラスでは、子どもの年齢や季節などに合わせた歌や遊び、工作などで遊ぶほか、天気が良い日なら土遊びや散歩などの外遊び、夏ならプールなどその日の天候や季節に応じた遊びを取り入れながら、着替えや、おむつ替えなどの子どもたちのサポートもします。
発表会や運動会などのイベントを控えている時期は、通常の遊びよりもそのイベントへ向けたお遊戯や種目の練習がメインの活動です。
クラス別保育での活動の後片付けを済ませたら、食事しやすいように机や椅子を移動してお昼ご飯の準備に入ります。
清潔に食事をしてもらうために子どもたちに食事前の手洗いを促したり、場合によっては手洗いのサポートをしたりするのも、保育士の仕事です。給食を提供する保育園では各クラスに給食が運ばれてくるので、保育士が給食の準備や配膳を行います。
園児の年齢や成長具合に応じて、ミルクや離乳食を用意することもあります。
給食の配膳が終わったら、保育士は子どもたちと一緒に同じ空間で同じメニューのお昼ご飯を食べます。ただ給食を食べるのではなく、食事の様子を確認しながら、食事をきちんと食べること、好き嫌いなく食べることの大切さ、正しい箸の持ち方などを指導します。
ただし、嫌いなものを無理やり食べさせると子どもにとってトラウマとなる可能性があることから、近年は無理に食べさせない方針を取っている保育園が多いものです。「ニンジンさんが泣いてるよ」のように声がけをするなど、できるだけ残さず食べてもらえるように工夫をしましょう。
ただし、食べ物の好き嫌いとは関係なく、近年は食物アレルギーを持っている子どもも増えており、食物アレルギーを持つ子どもにはアレルギーを起こす食材を使用しない「除去食」が用意されることがあります。
そのため、子どものアレルギーを把握し、きちんと除去食が配膳されているかどうか、食事中や食事後に子どもの体調に異変がないかを確認することも重要です。
お昼ご飯が終わったら食事の後片付けを行い、お昼寝用の布団を敷いて子どもたちに歯磨きを促したりトイレに行かせたりするなど、お昼寝の準備も同時進行で進めます。布団を敷く際は、年齢やクラスによっては保育の一環として子どもたちに手伝ってもらうこともあります。
布団を敷いてから寝かしつけを行い、子どもたちが眠ったら保育士の休憩時間に入ります。
園児のお昼寝時間中は保育士が休憩を取れる時間ですが、休憩中も眠っている子どもたちに異変がないか、お昼寝中の見守りも行います。
休憩時間ではありますが、業務中に連絡帳や保育日誌を書く時間を取れるのは、この休憩時間中のみとなる場合が多いため、休憩時間は子どもたちが起きているときに進めるのが難しい事務作業を行うことが一般的です。行事やイベントを控えているときは、休憩時間をその準備に当てることもあります。
事務作業も進めながら、子どもたちから目を離さずに見守ることが大事です。つまり、休憩時間とはいえ仕事をすることも多く、ゆっくり休憩する時間はあまりないといえるでしょう。
だんだんと、子どもたちが起きてくる時間です。寝起きが悪い子どもがいた場合はやさしく起こしつつ、布団の片付けを行います。寝起きが良く元気がいい園児には、布団の片付けを手伝ってもらうこともあります。
お昼寝から起きた園児たちの着替えやおむつ交換などを行うのも、この時間に行うべき業務です。1人でトイレへ行ける子どもには、きちんとトイレへ行くことも促しましょう。
お昼ご飯後のお昼寝が終わると、子どもたちの小腹がすくタイミングでおやつの時間です。保育士はおやつの準備をして、室内で園児との会話を楽しむなど、一緒におやつタイムを過ごします。
おやつを食べた後も引き続き室内で、歌を歌ったり絵本を読んだりすることもあります。また、おやつの後もお昼ご飯のときと同様に、歯磨きの指導やサポートも行いましょう。
おやつの時間の後は、園児の帰りの準備が始まります。朝の会と同じように園児を集めて、帰りの会を行います。帰りの会は、その日1日の保育園での生活を振り返りながら明日もまた楽しく登園したいと園児に思わせることがねらいです。
そのため、帰りの会では園児たちと楽しかったことなどを話し合い、みんなで帰りの歌を歌ったり手遊びを楽しんだりしながら、さようならの挨拶をします。当番での活動を行っている保育園では、翌日の当番も帰りの会で発表します。
16時頃から保護者のお迎えが始まり、保育園にもよりますがお迎えのピークは17~17時30分頃、遅くともお迎えは19時までです。お迎えが来るまでは、室内で園児を遊ばせて待機します。お迎えに来た保護者には連絡帳を渡しつつ、その日子どもがどのような様子だったか、連絡事項などを伝えることも大事です。
お見送りの合間には、園内の掃除や保育日誌の記入、イベント準備や指導計画の作成などのデスクワークも行います。延長保育を行う保育園では専用の部屋に子どもを集めてから遅番の保育士に引き継ぎをして、夜間保育がスタートします。
退勤時間はシフトによって異なりますが、多くの場合は保護者のお迎えの時間が重なるので、園児のお迎えが終わったら、園内の片付けや掃除、戸締まりなど翌日の準備を済ませます。また、業務中に進められなかったデスクワークも退勤後に行うことがあります。
遅番のシフトでも、遅くとも19時には退勤となるのが一般的です。しかしイベント前の時期やデスクワークが残っている場合は、残業が発生することもあります。
1日のスケジュールを時間ごとに解説することで、具体的な保育士の仕事内容のイメージがつきやすくなったのではないでしょうか。保育士の仕事は単純に子どもたちと遊んだり食事をしたりするだけではなく、遊びや食事の準備、さまざまなデスクワークなど、園児や保護者からは見えないところでこなすべき仕事が多いものです。
その分ハードな仕事ではありますが、やりがいも多い仕事です。保育士を目指している方は、今回ご紹介したスケジュールを参考に保育士の仕事を理解し、仕事中にやるべきことに素早く対応できるよう準備しておきましょう。
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