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指定保育士養成施設とは? 特長や注意点、施設の種類について解説

公開日:2024年2月15日 更新日:2024年2月16日

指定保育士養成施設とは? 特長や注意点、施設の種類について解説


  保育士資格の取得を検討している方の中には、どのような方法で取得すればできるのか迷っている方もいらっしゃるでしょう。保育士資格の取得方法には、保育士試験を受験する方法と、指定保育士養成施設に通う方法の2通りがあります。また指定保育士養成施設の中にもさまざまな施設があり、施設ごとに特長や注意点が異なります。そのため資格取得を目指す際には、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
 
   本記事では、指定保育士養成施設の特長や注意点、施設の種類などについて解説します。これから保育士資格の取得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。  
 
 

目次

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指定保育士養成施設とは?

 
指定保育士養成施設とは、各都道府県知事が指定している保育士を養成する施設のことです。2023年4月時点で全国に666校あります。(※)
指定保育士養成施設では、保育に関する専門的な知識や技術の他、保育士としてふさわしい人間性や見識を習得させるための教育を受けられます。

※参考:こども家庭庁.「指定保育士養成施設一覧(令和5年4月1日時点)」.
 

指定保育士養成施設以外で保育士資格を取得する方法

指定保育士養成施設を卒業する以外の方法で保育士資格を取得したい場合は、各都道府県が実施している保育士試験に合格する必要があります。保育士試験には、8科目の筆記試験と2分野の実技試験があり、資格を取得するにはその全てに合格しなければなりません。
 
科目数が多く、比較的難易度の高い試験ではありますが、「働きながら資格を取得したい」「自分のペースで勉強したい」という方は、保育士試験を受験して資格取得を目指すのもよいでしょう。

指定保育士養成施設の特長

指定保育士養成施設の特長
 
指定保育士養成施設で資格取得を目指す場合は、独学にはないさまざまなメリットを得られます。ここからは、指定保育士養成施設の特長をご紹介します。
 

卒業すれば保育士資格を取得できる

指定保育士養成施設の大きな特長の一つとして、卒業と同時に保育士資格を取得できる点があります。施設で定められているカリキュラムを全て終えられていれば、資格取得のための試験を受ける必要はありません。
 
一方で、保育士試験で取得を目指す場合は、試験に合格する必要があります。保育士試験の合格率は約20〜30%ほどと比較的低い傾向にあり、合格できない可能性もあるでしょう。(※)試験を合格するには、それなりに勉強時間を確保する必要があるでしょう。
 
また保育士試験には受験資格があり、学歴や経験などに基づく条件を満たしていなければ受験自体が認められません。そのため保育士試験を受けたくても、すぐには叶わない可能性もあります。経験に関係なく確実に保育士資格を取得したい場合は、指定保育士養成施設で学ぶのが近道です。
 
※参考:こども家庭庁.「保育士試験の実施状況(令和4年
 

保育士の実践的な知識・スキルが身に付く

 
保育士の実践的な知識やスキルが身に付くことも、指定保育士養成施設の特長の一つです。指定保育士養成施設では、保育士として必要な力を付けるためのカリキュラムが決められており、実践に即した経験を積める環境が整っています。
 
指定保育士養成施設の場合は、各施設が提携している保育所や福祉施設などで保育実習を経験することが可能です。実際の現場の雰囲気や保育士の役割を経験できるため、将来保育士になったときに役立つ知識を得られます。
 
一方で独学の場合は保育施設で働かない限り、実践的な経験を積むのが難しいでしょう。
また独学の場合は試験に向けて自ら計画的に勉強していかなければなりませんが、指定保育士養成施設では決まったカリキュラムに沿って学べばよいため、目の前のやるべきことにも集中しやすいでしょう。
 

就職で有利になることもある

 
指定保育士養成施設の特長として、就職で有利になりやすいことも挙げられます。特に伝統校や地域密着型の施設の場合、過去の就職実績や地域の保育所との交流が豊富にあるケースが多いです。そのため卒業後の就職先を探す際に、さまざまなフォローを受けられることもあるでしょう。
 
また地域とのつながりが強い指定保育士養成施設では、保育所や施設から直接求人が寄せられる場合もあります。つながりが多い施設ほど、就職先の選択肢が増えます。そのような場合は、学校側も求人を出している保育所や施設の雰囲気をよく把握しているため、学生は応募する前に具体的な情報やアドバイスをもらうこともできるでしょう。
 
自分で就職先を探すのは情報を得るのに少し手間がかかりますが、指定保育士養成施設であれば、何か分からないことがあったときにはサポートしてもらえるかもしれません。
 

指定保育士養成施設の注意点

 
指定保育士養成施設で保育士資格を取得する方法にはさまざまな特長がありますが、事前に知っておきたい注意点もあります。
 
ここからは、指定保育士養成施設で学ぶ際の注意点をご紹介します。
 

資格取得までに一定の時間が必要

 
指定保育士養成施設の注意点として、資格の取得までに一定の時間が必要なことが挙げられます。短くても2年、長いと4年はかかると認識しておきましょう。そのためそれよりも早く保育士になりたい方には、指定保育士養成施設は向いていません。
 
保育士試験で資格取得を目指す場合は、前期試験(筆記試験が4月頃、実技試験が6月頃)と後期試験(筆記試験が10月頃、実技試験が12月頃)の年2回受験チャンスがあります。そのためスムーズにいけば、1年以内に取得を目指すことも可能です。
 
指定保育士養成施設は、じっくり学び、知識や経験を積んでから保育士になりたい方に向いています。
 

学費がかかる

 
一定の学費がかかることも、指定保育士養成施設の注意点の一つです。学費は施設によって異なるため、具体的にどの程度の費用が必要かは、入学を検討している施設のホームページやパンフレットなどで確認してください。
 
施設ごとに学費を比較する際は、年間の学費だけでなく、資格取得までに必要な総額を確認しましょう。通学する年数が多いほど、もちろん学費も高くなります。また授業料以外にも、入学金や実習費用、教材費などがかかる場合も多いです。せっかく通い始めるなら、きちんと卒業まで通えそうかどうか見通しを立てておくことをおすすめします。学費を少しでも抑えたい場合は、4年制大学ではなく、専門学校や通信大学などを選ぶとよいでしょう。
 
また金銭的な負担を少しでも減らしたい場合は、国や各学校で設けられている学費免除制度、社会人であれば教育訓練給付制度などの活用を検討するのがおすすめです。条件が合えば、学費の免除や受講にかかった費用の一部支給を受けられます。
 

指定保育士養成施設の種類

 
指定保育士養成施設には、短期大学や大学、通信制大学、専門学校など、さまざまな施設があります。施設によってメリットが異なるため、自分の考えに合う施設を選んで通学することが大切です。
 
ここからは、指定保育士養成施設の種類をご説明します。
 

4年制大学

 
指定保育士養成施設の一つに、4年制大学があります。4年制大学で学ぶメリットは、在学時間が長いため、時間的な余裕を持って学べることです。複数の学部がある大学の場合は、他の学部の授業を受けることも可能なため、保育に限らず多様な知識を身に付けられます。
 
また、就職の際の選択肢が増えることも特長の一つです。保育士免許と一緒に幼稚園教諭一種免許状を取得できる学校もあるため、取得すれば幼稚園をはじめ、保育教諭として幼保連携型の認定こども園にも就職できます。
 
ただし大学の場合、学費は高くなりがちです。また、平日日中の時間帯の授業がメインのため、社会人として働きながら通うのは難しいでしょう。
 

短期大学

 
指定保育士養成施設には、短期大学もあります。短期大学は2年制であることが多く、4年制大学に比べると学費が安い傾向があります。在学期間が短く、保育に関する専門科目や実技科目、実習などを効率的に学べることがメリットです。また4年制大学に比べると短期大学の方が求人数が豊富な傾向があるので、就職先を選びやすいでしょう。
 
ただし短期大学は在学期間が短い分、短期間で必修科目や実習を受ける必要があります。そのため在学中は忙しく、中には授業や課題、実習などに負担を感じる方もいるかもしれません。また4年制大学と同様に、平日日中の授業がメインとなるため、家庭や仕事と両立しながら働くのは難しい場合があります。
 

通信制大学

 
通信制大学も、指定保育士養成施設の一つです。通信制大学とは、学校から自宅に送られてくる教材を使用して自分で学習するスタイルの学校です。決められた日には登校が必要なため、資格取得まで完全に通学が不要になるわけではありませんが、4年制大学や短期大学に比べると通学負担を大幅に減らせることがメリットです。
 
また大枠の学習スケジュールの中で勉強を進めてさえいれば、学習時間は自分で決められます。仕事をしながら資格取得を目指す方や、毎日通学するのが難しい方でも学びやすいでしょう。指定保育士養成施設の中では、費用を抑えて学べる点もポイントです。
 
ただし通信制大学の場合、自分でスケジュールや勉強量を決めてコツコツ勉強を進めていかなければなりません。計画性を持って取り組む意識が必要です。
 

専門学校

 
指定保育士養成施設には、専門学校もあります。2年制や3年制など、在学期間は学校ごとに異なりますが、4年制大学と比べると短期間で保育士資格の取得が可能です。期間内で必要なカリキュラムも網羅されているため、効率的に学習を進められます。
 
専門学校には、保育士資格と同時に幼稚園教諭二種免許状を取得できる指定校と、保育士免許のみを取得できる併修校があります。保育士以外の資格取得も考えている場合は、学校の特色をよく確認しておきましょう。
 

まとめ

まとめ
本記事では、指定保育士養成施設の特長や注意点、施設の種類について解説しました。学科と実技の試験を受験して保育士資格を取得する「保育士試験」とは違い、指定保育士養成施設では卒業と同時に保育士資格を取得可能です。専門的な知識や技術をカリキュラムに沿って効率的に学べたり、学校によっては幼稚園教諭の免許状を同時に取得できたりと、さまざまなメリットがあります。

指定保育士養成施設の種類は、主に4つです。4年制大学と短期大学は主に日中の授業がメインのため、家庭や仕事と両立したい人にはハードルが高いかもしれません。一方で、通信制大学や専門学校であれば、自分のペースで通学する方法も検討しやすくなっています。

日本児童教育専門学校は、保育士になりたい人をサポートしている保育の専門学校です。3年制の総合子ども学科と2年制の保育福祉科は、指定保育士養成施設です。総合子ども学科はお昼過ぎまでの授業のため、子育て中の方でも通学しやすくなっています。保育福祉科は、お昼過ぎまでの時短クラスと、夕方までの授業で週3日のみ通学するクラス、夕方から夜間に授業があるクラスなど、さまざまなクラスがあるため家庭や仕事と両立しながら通学しやすいのが特長です。また、保育士資格と一緒に、認定絵本士や幼稚園教諭二種免許状を取得することもできます。将来保育士として活躍したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
 

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