保育士コラム

保育士になるためにはどのような進路がある?種類や向いている人を解説

将来の進路について考え始めた高校生や、キャリアチェンジを検討している社会人の方は、保育や子どもに関わる仕事に興味を持たれていませんか?
「保育士になりたいけど、どんな進路を選べばいいのだろう」「専門学校と大学、どちらが保育士になるのに適しているのか分からない」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に高校生の方は進学先の選択に迷い、社会人の方は仕事をしながら資格を取得する方法を知りたいと考えているかもしれません。
この記事では、保育士を目指す方に向けて、資格取得のための2つの主要なルートと、それぞれの教育機関の特徴、そして自分に合った進路の選び方までを詳しく解説していきます。
保育士という夢に向かって一歩を踏み出す際の道標として、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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保育士になる2種類の進路
保育士資格を取得するためには、大きく分けて2つの進路があります。
1つは保育士養成学校に通い必要な単位を取得する方法、もう1つは保育士国家試験に合格する方法です。養成学校ルートは授業や実習を通して体系的に学べるため、高校卒業後すぐに保育の道に進みたい方に適しています。
一方、国家試験ルートは働きながら資格取得を目指せるため、社会人からの転職や、別の分野を学んだ後に保育士を目指す方に向いているでしょう。どちらの進路を選ぶかは、ご自身の状況や学習スタイルによって決めてみてください。
保育士養成学校で学ぶルート
保育士養成学校で学ぶルートは、保育士資格を取得できる王道の進路です。このルートでは、厚生労働大臣が指定した養成施設で必要な科目を履修し、卒業することで国家試験を受けずに保育士資格を取得できます。
養成学校では、保育原理や保育の心理学など保育に必要な専門知識を体系的に学ぶとともに、実際の保育現場での実習を通して実践的なスキルも身につけられます。特に実習は、子どもとの関わり方や保育技術を実践的に学ぶ貴重な機会となるでしょう。
養成学校での学びは、単に資格取得だけでなく、保育の現場で実際に役立つ知識や技術、そして子どもの命を預かる責任感も同時に養うことができます。子どもの成長に寄り添う保育士として必要な素養を総合的に身につけたい方には、この進路が適しているといえるでしょう。
保育士養成学校ルートは時間的・金銭的コストがかかりますが、確実性と専門性を重視する方にとって、安心できる進路選択といえます。
保育士国家試験を受験するルート
保育士国家試験を受験して資格を取得するルートは、保育士養成学校に通わない選択肢として重要な進路です。このルートは、社会人や他分野の学生が保育士を目指す際に特に有効な選択となります。
国家試験ルートのメリットは、柔軟な学習スケジュールで資格取得を目指せる点にあります。フルタイムで働きながら、あるいは別の学部に在籍しながら保育士を目指すことが可能です。特に転職を考えている社会人の方には、仕事を続けながら準備できる点が魅力的でしょう。
ただし、このルートには受験資格の条件があります。高校卒業者の場合は実務経験2年以上、中学卒業者なら実務経験5年以上といった条件を満たす必要があります。実務経験とは認可保育所などでの勤務経験を指し、保育補助や保育士アシスタントなどの立場でも認められる場合があります。
試験は現在年に二回(前期・後期)で行われており、前期は4月に筆記試験、6月に実技試験、後期は10月に筆記試験、12月に実技試験が行われています。科目は保育原理や保育の心理学など9科目に及びます。合格率は例年20%〜30%程度と決して高くないため、十分な準備が必要となってきます。独学も可能ですが、通信講座や予備校を活用する方も多いようです。
保育士養成学校ルートと比較すると、実践的な経験を積む機会が少ない点がデメリットといえますが、既に保育現場で働いている方にとっては、その経験を活かしながら資格取得を目指せる強みがあります。
保育士を目指せる学校の種類と特徴
保育士を目指す方が選択できる教育機関は主に専門学校、短期大学、4年制大学の3種類があります。それぞれの学校には学習期間や取得できる資格、カリキュラムの特色などに違いがあるため、自分の目標やライフプランに合わせて選ぶことが大切です。
専門学校
専門学校は保育士を目指す方にとって、最短2年で資格取得ができる教育機関です。カリキュラムは保育現場で必要となる技術や知識の習得に重点を置いており、即戦力となる人材育成を目指しています。
専門学校が保育士進路として人気がある理由はいくつかあります。
まず、実践的な技術を重視したカリキュラム編成により、手遊びや製作活動、ピアノなどの保育技術を集中的に学べる点が魅力です。
また、現役保育士や保育園経営者が講師として授業を担当することも多く、現場の生きた知識を吸収できるチャンスがあります。
さらに、2年という比較的短期間で保育士資格を取得できるため、早く現場に出て働きたい方にとって時間的なメリットも大きいでしょう。
ただし、専門学校では保育士資格は取得できますが、幼稚園教諭免許の取得が可能な学校とそうでない学校があります。両方の資格を希望する場合は、入学前に確認することが非常に重要です。また、専門士の称号は得られますが、短大や大学のような学位は取得できない点も理解しておきましょう。
短期大学
短期大学は保育士資格と幼稚園教諭二種免許状を同時に取得できる点が最大の魅力です。2年間という比較的短期間で2つの資格を手に入れられるため、保育士の進路として効率的な選択肢となっています。
短期大学での学びは、実践的な保育技術だけでなく、教育学や心理学など幅広い学問的基盤も身につけられる点が特徴的です。専門学校より理論面を深く学べる一方で、4年制大学より短期間で現場に出られるバランスの良さがあります。
実習面では、保育所実習だけでなく幼稚園実習も経験できるため、より多様な子どもの発達段階や教育環境について理解を深められます。これにより卒業後の就職先の選択肢も広がるでしょう。
近年は認定こども園の増加に伴い、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持つ「保育教諭」の需要が高まっています。短期大学での学びは、こうした社会のニーズにも応える形となっているのです。
4年制大学
4年制大学での保育士養成課程は、保育と教育の専門性を深く追究できる学びの場です。最大の特徴は幅広い学問的視野と研究的姿勢を身につけられることにあります。
4年間という時間をかけて学ぶ中で、保育の基礎知識だけでなく、児童心理学や教育学、社会福祉学などの関連分野も深く掘り下げることができます。こうした幅広い学びは、子どもの発達や環境を多角的に捉える力を養い、保育現場での応用力につながるでしょう。
特に保育士と幼稚園教諭の両資格を取得できる点は、将来のキャリア選択の幅を広げる大きなメリットです。また、多くの4年制大学では教育実習や保育実習に十分な期間を確保しており、理論と実践を結びつける機会も充実しています。
保育士の進路として4年制大学を選ぶなら、単に資格取得だけでなく、子どもの発達や教育に関する深い理解と洞察力を身につけたい方、将来的に保育分野でのキャリアアップやスペシャリストを目指す方に適しています。
保育士を目指す上で進路に迷った場合
保育士を目指す方にとって、進路選択は将来のキャリアを左右する重要な決断です。専門学校、短期大学、4年制大学とそれぞれの教育機関には特色があり、あなたの目標や状況に合わせた選択が必要になってきます。
自分に合った進路を見つけるためには、まず保育に対する自分の想いや将来のビジョンを明確にしてみましょう。早く現場で働きたいのか、より専門的な知識を身につけたいのか、学びながら他の資格も取得したいのかなど、優先したい条件によって最適な進路は異なります。
各教育機関の特徴を理解した上で、ご自身の適性や希望に合った選択をすることが大切です。
専門学校がおすすめな人
専門学校は実践力を重視した教育を行うため、早く保育現場で働きたい方に最適な選択肢です。特に実技やスキルを重視して学びたい方や、短期間で集中して保育士資格の取得を目指したい方に向いています。
専門学校が特におすすめな理由は次の3点にあります。まず、カリキュラムが実践的な技術習得に焦点を当てているため、保育現場ですぐに役立つスキルを効率よく身につけられます。
また、2年という比較的短い期間で保育士資格を取得できるため、早く就職して経験を積みたい方に適しているでしょう。さらに、学費が4年制大学と比較して抑えられる点も大きなメリットです。
短期大学がおすすめな人
短期大学は、保育士資格と幼稚園教諭免許を同時に取得できる点が最大の魅力です。2年間という比較的短い期間で、保育士としての基礎知識と実践力に加え、幼稚園での指導方法も学べるため、進路の幅が広がります。
保育業界では「保幼両方」の資格を持つ人材が求められる傾向にあり、就職の選択肢が増えることが大きな利点となっています。
短期大学がおすすめなのは、次のような方々です。まず、保育士だけでなく幼稚園教諭としても働く可能性を視野に入れている方には最適な進路選択といえるでしょう。
また、4年制大学よりも短い期間で学位と専門資格の両方を取得したい方にとっても、バランスの取れた選択肢となります。
さらに、将来的に編入学などで学びを深めることも検討している方にとって、ステップアップの足がかりになるという点も見逃せません。
経済的な面と時間的な効率を考慮しながらも、一定の学術的な学びと実践的なスキルの両方を身につけたい方、そして保育士と幼稚園教諭の両方の道を模索したい方には、短期大学への進学が理想的な選択となるかもしれません。
4年制大学がおすすめな人
4年制大学は保育士を目指す方の中でも、特に幅広い視野と専門性の高い知識を身につけたい方に最適な進路です。単に保育技術だけでなく、子どもの発達や心理、福祉、教育について深く探究できる環境が整っています。
4年制大学に進学するメリットはいくつもあります。
まず、保育士資格と幼稚園教諭一種免許状を取得できるだけでなく、小学校教諭免許や社会福祉士受験資格など、複数の資格取得が可能な大学が多いことが挙げられます。これにより卒業後のキャリアの選択肢が大幅に広がるでしょう。
また、4年間という時間をかけて専門性の高い研究に取り組めるため、保育・教育の理論的背景についても深く学ぶことができます。
保育士の仕事は日々変化する社会環境に合わせて進化していくものです。4年制大学での学びは、そうした変化に対応できる柔軟性と応用力を身につける機会となるでしょう。
子どもの成長を支える保育士という道を、より専門的かつ多角的な視点から追求したい方には、4年制大学への進学をおすすめします。
まとめ
保育士を目指す方にとって、進路選択は将来のキャリアに大きく影響する重要な決断です。本記事では、保育士資格取得のための2つの主要なルート「養成学校で学ぶ方法」と「国家試験を受験する方法」について詳しく解説しました。
それぞれの方法には特徴があり、養成学校は実践的な学びが得られる一方、国家試験ルートは働きながら資格取得を目指せるという利点があります。
また、保育士養成校には専門学校、短期大学、4年制大学の3タイプがあり、学習期間や取得できる資格、教育内容に違いがあることも分かりました。
自分に合った進路選択をするためには、まず自分の目標や状況を見つめ直すことが大切です。短期間で実践的なスキルを身につけたい方には専門学校が、幼稚園教諭の資格も同時に取得したい方には短期大学が、より深い知識や研究を志す方には4年制大学が適しているかもしれません。
保育士への道は一つではありません。自分の状況や目標、学びたい内容によって最適な進路は異なってきます。オープンキャンパスへの参加や現役保育士との交流を通して情報収集を行い、自分に最も合った保育士への進路を見つけてみてください。

日本児童教育専門学校 講師
保育士になるためには 他
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