保育士コラム
保育士コラム
公開日:2019年4月05日 更新日:2024年2月19日
子どもに関係する資格はいくつかありますが、中でも最近注目を集めているのが絵本専門士です。
名前のとおり絵本に関する知識や技術をもつエキスパートの資格ですが、講座では児童福祉や児童心理などのスキルも学べる事から、保育士としてステップアップしたい方が取得を目指すケースが増えています。
本記事では、絵本専門士の基礎知識を含め、メリットや資格を取得する方法など、気になる情報をまとめてみました。
目次
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2014年に設立されたばかりの「絵本専門士」。一体どんな資格なのか、わかりやすく説明します。
絵本専門士は、独立行政法人「国立青少年教育振興機構」によって設立された民間資格のひとつです。
子ども達にとって絵本とは、言語力や完成、文脈理解力、物事の理解力、そして豊かな人格形成をもたらす重要なものであるという見解に基づき、絵本の可能性や活用法を広く普及しようという思いから2014年に創設されました。
絵本に関する深い知識をもとに、絵本の読み聞かせやおはなし会、ワークショップなど実際に絵本を使った取り組みを行い、子どもや大人の心を豊かにする事を第一の目標に掲げています。
絵本専門士になるためには、単に絵本に関する知識や読み聞かせの技能だけでなく、幅広いスキルが求められます。
具体的には子どもの年齢や状況に合わせて絵本をチョイスする選択力や、子ども達にわかりやすく伝えるための表現力、相手と交流するために必要なコミュニケーション能力など。
さらにワークショップの運営に欠かせない指導力や、絵本事業を企画・運営するための企画力など、多彩なスキルを身につけていなければなりません。
絵本専門士の講座ではこうした幅広いスキルを習得するための指導が行われます。
国立青少年教育振興機構では、平成26年度から「絵本専門士」を養成する「絵本専門士養成講座」を開設しています。一方、平成31年4月から大学や短大等の授業の中で学ぶことのできる『認定絵本士』養成制度がスタートしました。
認定絵本士養成制度は、教育課程に位置付けられた授業科目の中で、絵本専門士委員会が定める「認定絵本士養成講座カリキュラムに関するガイドライン」に基づいた講座を開設し、学生がその講座が含まれる授業科目の単位を修得することにより、認定絵本士の称号を得ることができるものです。
認定後は、講座で学んだ幅広い知識や技能等を活かし地域や職場で、絵本の魅力や可能性を伝え地域の読書活動を充実させる役割を担います。
さらに、こうした活動を通して一定の実務・実践経験を積み、資質、能力がふさわしいと絵本専門士委員会から認められることにより、絵本の専門家である「絵本専門士」と認定されます。
本校も「認定絵本士」資格の取得を目指せます。詳細は下記リンクをクリックください。
絵本専門士が活躍できる場は様々あります。
たとえば公民館などの公共施設、ショッピングモール内の書店、また幼稚園や保育園、小学校などにおいて、地域の家族を招いて絵本の読み聞かせ会、絵本を用いたワークショップを企画、運営します。
また医療機関やリハビリセンターなど絵本を治療の一環として行う医療施設にて読み聞かせ会やおはなし会を行います。
地域の図書館のアドバイザーを務めたり、保育園の研修会において読み聞かせの方法についての指導、助言も行います。
さらに高度な知識を用いて認定絵本士養成講座を開講する学校において講師を担当することもあります。
まず絵本専門士は養成講座の募集には、定員70名に対して数百人名の応募があるそうです。その競争倍率は常に高く狭き門となっています。
令和5年現在で568名しか認定者はおらず、何年待っても受講資格さえ得られないこともあります。
また養成講座は毎回土日開催の講座が5回の計10日間、6月から1月までと長期に渡り開講されます。
さらに養成講座が行われる会場が東京都渋谷区代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」です。地方在住の方は受講するために宿泊する場合もあります。
絵本専門士を取得するためには粘り強く応募する必要があると言えるでしょう。しかしながら絵本専門士になると様々な場面での実践的な活躍が可能となります。
絵本専門士の資格を取得すると、保育士としての仕事にはもちろん、プライベートでも役に立つスキルを習得できます。
絵本は対象年齢や内容がまちまちなので、自分が受け持っているクラスの子達にどんな絵本を読めばいいのか毎回悩んでいるという保育士の方は少なくありません。
絵本専門士になると子どもの年齢や状況に合わせて絵本を選べるようになるため、毎日の読み聞かせの質をアップさせる事ができます。
飽きっぽい子どもの興味を惹きつけるには、豊かな表現力を駆使して臨場感たっぷりに読み聞かせる事が大切です。
絵本専門士では読み聞かせに必要な表現力をはじめ、音楽やスクリーン、人形などを使って興味をひくテクニックを学べるので、子どもの視線を釘付けにする事ができます。
絵本の読み聞かせは子どもの言語力や理解力、豊かな情緒を養うのに効果的な手段と言われています。
保育士として受け持ちクラスのお子さんの指導に役立つのはもちろんですが、自分が親になった時の育児にも大いに活用できるでしょう。
絵本専門士の資格があれば、ワークショップを企画したり、絵本作り事業に参画したりするなど、活躍の場が広がります。
中には教育機関で絵本講師として講義を行っている方もいるようです。
ここまで絵本専門士の魅力を紹介してきましたが、実際に資格を取得するためにはどうすれば良いのでしょうか。
資格取得までの流れや応募資格についてまとめてみました。
絵本専門士の資格を取得するには、7~8ヵ月間にわたって開講される「絵本専門士養成講座」を受講する必要があります。
受講への応募は1年に1回、例年2月頃に実施されるので、忘れずに申込を行います。
実際に講座が開始されるのは6月頃からで、1ヵ月に1回、土日に受講します。
すべての授業が終わった後、絵本専門士に必要な資質や能力を習得しているかどうかを確かめるための修了課題が課せられます。そこで一定の評価を受けられれば絵本専門士として認定され、認定証が交付されます。
絵本専門士養成講座は誰でも受講できるわけではなく、以下いずれかの資格を満たしている事が条件となります。
*子どもや絵本に関連する資格を持っている者
*絵本に関わる実務について、原則3年以上の経験を持つ者
*絵本に関わる活動に携わっていて、原則として3年以上の経験を持つ者
*絵本学や児童文学、美術について研究実績がある者
保育士として3年以上の経験がある人なら自動的に応募資格を得られますが、そうでない場合は絵本専門士になるのは難しいようです。
絵本専門士の資格を取得すると、絵本に関する知識や造詣が深くなり、受け持ちクラスの子どもに適した絵本選びや子どもの興味を惹きつける読み聞かせなど、保育に役立つスキルを磨く事ができます。
自分が親になった時の育児にも役立つので、応募資格を満たしているのなら積極的に取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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