保育士コラム
保育士コラム
公開日:2024年8月30日 更新日:2024年8月30日
保育士として働いている、あるいは保育士を目指しているものの、給与の低さを心配している方もいるかもしれません。実際に「保育士は給与が低い」という声を聞いたことがある方もいるでしょう。
保育士の給与は他職業の給与所得者と比べると低い傾向にありますが、長く勤めても低いままとは限りません。また、給与アップするためのポイントもいくつかあります。長い目で見たキャリアを考えれば、給与を上げられる可能性は高いです。
本記事では、保育士の給与や年収、給与を上げる方法などを解説します。保育士の給与について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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「保育士の給料は低い」と聞いたことがあるものの、実際にはどのくらいの金額なのかをご存じない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、まず保育士の平均給与をご紹介します。
正社員として働く保育士の平均給与は、令和5年度で396万9,000円です。内訳は、決まって支給する現金給与額(月額)が27万1,400円、年間賞与その他特別給与額が71万2,200円です。なお、保育士の給与は勤め先の企業規模や地域によって差があり、大都市の方がやや高くなっています。
また、国税庁が発表している給与所得者の平均給与は461万円のため、他の職業と比べると保育士の給与は低い傾向にあるといえます。
給与に関わらず保育士を目指す人がいる理由は、保育や子どもの成長に関わることに面白さややりがいがあるからです。また国家資格を取得し、手に職を付けられることをメリットだと考える人もいます。
※参考:厚生労働省.「e-Stat_政府統計の総合窓口:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者職種」.
※参考:国税庁.「II 1年を通じて勤務した給与所得者」.
パートタイマーとして働く保育士の給与は、1時間当たりの所定内給与額(時給)の平均額が1,317円、年間賞与その他特別給与額が9万1,000円です。年収は、1日の労働時間の平均5.5時間・月の実労働日数13日の勤務をする方で、122万円ほどになります。
正社員に比べると年収は下がってしまいますが、パートタイマーは働く日数や時間を調整しやすいため、自分のペースで働きやすいのが魅力です。
※参考:厚生労働省.「e-Stat_政府統計の総合窓口:令和5年賃金構造基本統計調査短時間労働者 職種」.
続いて保育士の年齢別の平均年収は、下記の通りです。
年齢 | 平均年収 | 決まって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 |
20〜24歳 | 330万6,000円 | 23万9,000円 | 43万8,000円 |
25〜29歳 | 382万5,300円 | 26万800円 | 69万5,700円 |
30〜34歳 | 385万6,300円 | 26万4,300円 | 68万4,700円 |
35〜39歳 | 409万4,200円 | 27万7,800円 | 76万600円 |
40〜44歳 | 425万300円 | 28万6,200円 | 81万5,900円 |
45〜49歳 | 426万2,200円 | 28万4,700円 | 84万5,800円 |
上記を見ると、平均年収が大きくは伸びにくい時期はあるものの、年齢が上がるにつれて給与も上がる傾向にあることが分かります。
※参考:厚生労働省.「e-Stat_政府統計の総合窓口:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者職種」.
保育士の経験年数別の平均給与は、下記の通りです。
経験年数 | 決まって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 |
0年 | 21万8,400円 | 41万円 |
1〜4年 | 23万7,200円 | 61万1,600円 |
5〜9年 | 25万4,800円 | 66万1,100円 |
10〜14年 | 26万4,400円 | 73万4,400円 |
15年以上 | 30万4,000円 | 98万9,300円 |
保育士として働き始めたばかりの初年度は、給与も賞与も低いですが、経験を積むほど増えていく傾向にあります。長く勤めていると、リーダーや主任、副園長など、高い役職に就いて手当が出ることから、年収アップにつながっているようです。
※参考:厚生労働省.「e-Stat_政府統計の総合窓口:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者職種」.
保育士と幼稚園教諭の給与を比較すると、下記のようになります。
職種 | 平均年収 | 決まって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 |
保育士 | 396万9,000円 | 27万1,400円 | 71万2,200円 |
幼稚園教諭 | 407万5,600円 | 27万2,300円 | 80万8,000円 |
幼稚園教諭の方が賞与が多いことから、平均年収もやや高めになっていますが、大きな差はありません。また、幼稚園教諭と保育士の資格を両方とも生かす保育教諭も、幼稚園教諭と同様の金額になっています。
※参考:厚生労働省.「e-Stat_政府統計の総合窓口:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者職種」.
保育士の給与の賃上げは、現状では難しいでしょう。特に国や都道府県などから出る補助金と、保護者から集める保育料で運営されている私立保育所では、保育料に「公的価格」という基準が設けられていることから自由に保育料を設定できず、財源確保が難しくなっています。
一方で、認可外保育所は保育料の設定を自由にできるものの、一般的に補助金がありません。そのため、認可保育所よりも財源確保が厳しい状態にあります。
また、認可保育所でも、認可外保育所でも保育士の配置基準が設けられているため、子どもの数に対して必要な人数の保育士を配置しなければなりません。その結果、人件費がかさんでしまい、給与を上げる財源の確保が難しくなっているケースもあります。
補助制度が充実したり、公的価格の基準が上がったりしない限り、現状のままでは給与の増加は見込めない可能性があります。
公立保育所と私立保育所は運営母体が異なるため、勤め先が公立か私立かでやや平均給与が変わります。
それぞれの保育士1人当たりの平均給与は、下記の通りです。
職種 | 平均年収 | 決まって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 |
保育士 | 396万9,000円 | 27万1,400円 | 71万2,200円 |
幼稚園教諭 | 407万5,600円 | 27万2,300円 | 80万8,000円 |
公立保育所に正社員として採用された保育士は公務員になるため、一般的には「安定した待遇が得られる」と思われています。
一方で私立保育所は、学校法人やNPO法人など民間企業が運営しており、待遇は各企業が決めています。「あまり待遇が良くない」と思っている方もいるかもしれませんが、近年は保育士の処遇改善が進んできていることから、私立保育所も徐々に待遇が良くなってきています。
正社員の保育士として働く場合は、そこまで大きく待遇は変わりません。ただし、主任や施設長などの役職が付くと、公立保育所の方が高くなる傾向があります。
※参考:内閣府.「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」.
前述した通り、保育士の給与は経験年数だけでなく、役職の有無や勤める保育所の規模、運営主体の企業などによって左右されます。現状のままでは待遇の改善が期待できない場合は、給与を上げていくために何かしら行動が必要です。
ここからは、保育士が給与を上げるポイントをご紹介します。
保育士が給与を上げるポイントの一つに、キャリアアップを目指すことが挙げられます。リーダーや主任などの役職に就くと、役職手当が付くためです。
現在は保育士の処遇改善加算が行われており、キャリアパスを構築している保育所も多いです。また、技能・経験の向上に応じた処遇改善では、副主任や職務分野別リーダーへの手当もあります。例えば、保育士として3年以上の経験があり、担当する職部分野の研修を終了し、職務分野別リーダーの役職に就くと、月額5,000円の手当が出ます。さらに、経験年数7年以上の副主任・専門リーダーになると、手当は月額4万円です。
ただし、キャリアアップによる処遇改善を目指す場合は、各都道府県等で行われるキャリアアップ研修の受講が必要です。正社員以外の雇用形態の方も対象となるため、3年以上保育士として経験のある方は、参加を希望するとよいでしょう。
保育に役立つ資格を取ることも、保育士が給与を上げるポイントです。勤めている園の特徴にもよりますが、日々の保育に生かせる資格も数多くあります。
例えば、保育士のスキルアップにつながる資格には、下記が挙げられます。
・絵本専門士
・リトミック指導員
・食育スペシャリスト
・幼児教育・保育英語検定
絵本専門士は、絵本に関する専門的な知識や技能を習得したことを証明する資格です。受講資格がある人は、保育士や幼稚園教諭などの資格を有する人、図書館職員や児童文学の出版・販売の実務経験を3年以上有する人、絵本学や児童文学の研究実績がある人などです。取得後は、読み聞かせや絵本選びの他、絵本に関する知識が必要な研究などに携われます。
食育に力を入れている園であれば、食育スペシャリストが役立つかもしれません。NPO法人みんなの食育が認定している民間資格で、食に関する知識や食事のマナーの他、プレゼンテーション演習を通して「伝える力」などを身に付けられます。子どもたちに伝える際にも、ポイントを押さえて分かりやすく伝えられるようになるはずです。
保育士が給与を上げるポイントとして、公立保育士を目指すことも挙げられます。私立保育園と給料が変わらないとはいえ、公立保育士の方が給与が安定しています。また、リーダーや主任などに昇格した場合は給与が高くなるため、長い目で見てキャリアを築いていきたい方は、結果として高い給与を得られるでしょう。
転職することも、保育士が給与を上げるポイントの一つです。保育所の中には、給与を高く設定しているところもあるため、転職の際には今よりも高い給与で募集をしているところを探すとよいでしょう。また、今勤めている保育所でリーダーや主任のポストが空きそうになければ、そういったポジションに就ける職場を探すのもおすすめです。
正社員として働く保育士の平均給与(月額)は27万1,400円、年間賞与の平均給与額は71万2,200円です。平均年収は396万9,000円で、他職種も含む給与所得者の平均給与は461万円といわれていることから、他職種と比べると保育士の給与は低い傾向にあります。
ただし、近年は保育士の処遇改善が積極的に行われているため、専門性を高めると手当が付きます。3年以上の実務経験者が副主任や職務分野別リーダーになると、月4万円もの給与アップが可能です。また、より高い給与の園に転職したり、勤めている園の特徴に合わせて資格を取得したりすることも、給与アップにつながる可能性があります。
日本児童教育専門学校では、より専門性の高い保育士を目指せます。保育士や幼稚園教諭以外にも、認定絵本士やガイドヘルパー(移動支援従事者養成研修)の資格も取得可能です。在学中に複数の資格を取得しておくことで、今後の就職にも有利になるでしょう。給与アップが見込める強みを持った保育士になるために、日本児童教育専門学校で一緒に学びませんか。
日本児童教育専門学校Japan Juvenile Education College
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