保育士コラム

保育士の服装は?行事・季節ごとの服装選びのキホン

保育の仕事では、どんな服装を選ぶかも大切なポイント。 子どもと一緒にたくさん動いたり、制作で絵の具やのりを使ったりと、毎日がアクティブで変化に富んでいますよね。 だからこそ、保育士の服装には「動きやすさ」や「安全性」、そして「清潔感」が欠かせません。 とはいえ、入園式や卒園式などのフォーマルな行事や、季節の変わり目など、どんな服を選べばよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。 そこで今回は、保育中や通勤時の服装の基本から、行事や季節ごとの服装選びのポイント、そして避けたいNG服装まで、シーン別にお伝えしていきます。 身だしなみは、子どもや保護者からの信頼にもつながる大切な要素です。毎日の保育がもっと心地よく、安心して過ごせるように、服装のヒントを一緒に見つけていきましょう。
目次
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保育士の服装のキホンとは?
保育士の服装は「動きやすさ」「安全性」「清潔感」の3つがとても大切。
園内では子どもと密にかかわるため、汚れても問題ない素材や、引っ掛かりのないシンプルなデザインを選ぶと安心です。
また、園ごとに制服がある場合もありますので、勤務先の規定も必ず確認しましょう。
まずは、保育中と通勤時の服装について、基本的なポイントをお伝えします。
保育中の服装
保育中は、動きやすいトップスとパンツの組み合わせが基本です。
子どもたちとたくさん動いて、しゃがんで、抱っこして…と、全身を使う場面が多い保育士。そんな毎日にぴったりなのは、動きやすくて汚れても気にならない服装です。
◆動きやすいトップスとパンツ
Tシャツやポロシャツなど、通気性がよく伸縮性のある素材がおすすめ。
特に汗をかきやすい季節は、さらりとした綿混素材や吸水速乾性のある素材を選ぶと快適に過ごせます。
ボトムもストレッチが効いたパンツを選ぶと、子どもを抱き上げるときや床に座って遊ぶ場面でも動きやすいです。
◆エプロンの活用
多くの園ではエプロン(スモック)を着用します。
エプロンをすることで服の汚れを防ぎやすくなり、衛生面でも安心です。素材は洗濯や乾燥に強いものを選ぶと、日に何度も洗濯しても型崩れしにくく長く使えます。
◆引っ掛かりを避ける工夫
フードや長いひも、装飾が目立つ服は、子どもが引っ張ってしまうと危険です。
シンプルな襟元やひもなしのデザインを選ぶことで、安全面に配慮できます。
ボタンやファスナーはしっかり留まるものを選ぶと、はだけがちになる心配も減ります。
◆足元のポイント
床での活動が多いため、滑りにくいソールの靴を選びましょう。
スニーカーでもよいですが、園によっては上履きを指定されることもあります。購入前に園のルールを確認すると安心です。
靴下は足首までしっかり覆うものや、走り回ってもずれにくいものを選ぶと、子どもと遊ぶときに安心ですね。
通勤時の服装
通勤時の服装は、園の規定や役職によって異なります。
多くの保育士は、普段の通勤も動きやすいカジュアルな服装が中心です。ただし、園長や主任などの役職の方はスーツやジャケットスタイルを指定される場合も。
制服を用意している園もあるため、通勤前に制服の有無や着用ルール、他の先生方の服装を確認しておくと安心です。
季節に応じて羽織りものを用意し、温度調節がしやすい服装が望ましいです。
また、通勤中に保護者とすれ違ったり、近所の方とお話しする機会もあるかもしれません。そんなときに好印象を持ってもらえるように、清潔感のあるナチュラルなスタイルを心がけると、自然と信頼感にもつながっていきます。
行事・季節ごとの服装選びのポイント
保育園では、入園式や卒園式、遠足、運動会などさまざまな行事があります。
日々の保育とは違って、行事ごとに求められる服装の雰囲気も変わります。また、季節によっても快適に過ごすための工夫が必要です。
ここでは、代表的な行事での服装のポイントと、季節ごとの服装の選び方について見ていきましょう。
入園式
入園式は、保護者や地域の方々も参加するフォーマルな場。保育士としても、しっかりとした服装で参加することが求められます。
おすすめは、落ち着いた色合いのスーツや、上品なワンピース。
保育園によっては、着物を着用される先生もいます。いずれにしても「新しく入園するお子さんや保護者に安心感を与える服装」を意識できるといいですよね。
普段よりも少しかっちりとした印象を意識しながらも、清潔感とやさしい雰囲気を大切にしましょう。
遠足・運動会
子どもたちと一緒にたっぷり体を動かす遠足や運動会。そんな日は、動きやすくて汚れても大丈夫な服装が一番です。
たとえば、ストレッチ素材のパンツやTシャツ、スニーカーなどの軽やかに動ける服装がおすすめ。汗をかいても快適な素材を選ぶと、1日を気持ちよく過ごせます。
安全面にも配慮したシンプルなデザインを選びましょう。
屋外活動では、紫外線対策も忘れずに。帽子の着用や日焼け止めの使用がおすすめです。暑い時期は、首元にタオルを巻いて熱中症対策をするのも◎。
園によっては、遠足や運動会のときに保育士が揃いのTシャツやエプロンを着用することもあります。
懇談会
保護者と直接お話しする懇談会は、信頼感をもってもらえるような服装を意識したい場面です。
基本的には、普段の保育服でも問題ありませんが、少しきちんと感を出したいときは、ブラウスやカーディガンをプラスすると、柔らかくていねいな印象になります。
卒園式
卒園式は、保育園生活の集大成となる大切な節目。入園式と同じように、フォーマルな服装が求められます。
落ち着いた色合いのスーツやワンピースが基本で、黒・紺・グレーなどの色味が好まれます。アクセサリーは控えめで上品なものを選ぶと、式の雰囲気に合いますね。
この日は保護者の方との別れのごあいさつも多く、涙があふれる瞬間も。
「最後まで先生らしく」見守れる服装で参加できると、自信をもって子どもたちを送り出せるはずです。
季節ごとのポイント
季節に合った快適な服装選びも欠かせません。特に室内外で温度差がある園では、体調管理にもつながります。
春・秋 | 気温の変化が大きい季節は、薄手のカーディガンやパーカーなどの羽織りものが便利です。気温に合わせてさっと調整できる服装を意識しましょう。 |
夏 | 通気性の良い素材で、汗をかいても快適な服装を。帽子や日焼け止めで紫外線対策も重要です。 |
冬 | 室内外の温度差が大きいため、重ね着で調整しやすい服装を選びましょう。園庭やお散歩の際は、防寒着を着用します。 |
服装は、毎日の保育を快適にするだけでなく、子どもや保護者からの信頼にもつながる大切な要素。
季節や行事に合わせて工夫しながら、心地よくお仕事に向かえる服装選びをしていきましょう。
保育士のNG服装は?
では、保育の現場では避けたほうがよい服装や身だしなみの例を、具体的にご紹介します。
なぜNGなのかという理由も一緒に知っておくことで、より安心してお仕事にのぞむことができるでしょう。
- フード付きのパーカーやひも付きの服
子どもが引っ張ってしまったり、遊具に引っかかってしまったりなどの事故につながる恐れがあります。
- ビーズやラメなど装飾が多い服
装飾が多い服は、子どもが触って誤って飲み込んでしまったり、遊び中に引っかかる危険があります。
- 派手すぎる色やデザイン
あまりに派手な色や柄物ばかりだと、落ち着かない印象を与えてしまうこともあります。
また、保護者から見たときに、「信頼できる先生かな?」と心配を招いてしまう場合も。
- 長い爪や華美なネイル
衛生面や安全面でほとんどの園で禁止されています。
保育士の手は、子どもたちを安心させる「触れ合いの手」。清潔で自然な手元を意識しましょう。
- 洗濯できない素材や汚れが目立つ服
保育現場では常に清潔であることが求められます。
繊細な素材やシミになりやすい色柄の服は、管理が大変になってしまうので避けたほうが安心。
園ごとのルールや方針も確認しながら、安全で清潔、そしてやさしい雰囲気を感じられる服装を心がけていきましょう。
まとめ
保育士の服装は「動きやすさ」「安全性」「清潔感」が基本です。
保育中は動きやすいトップスとパンツの組み合わせが一般的で、エプロンの着用も多く見られます。通勤時や行事では、場に応じたきちんとした服装を選び、季節ごとの気温変化にも対応できるよう工夫しましょう。
NG服装についても、ただ「ダメ」なのではなく、子どもたちの安全を守るため、保護者に安心してもらうためという理由があります。服装を整えることは、子どもへの思いやりのひとつなのです。
毎日を忙しく過ごす中でも、服装に気を配ることは、自分自身への信頼や自信にもつながります。
日本児童教育専門学校では、保育の現場で必要な知識やスキルはもちろん、服装や身だしなみといった基本的なマナーまでていねいに学べます。
「保育の仕事ってどんな服装で働くの?」
「学校ではどんなふうに学ぶの?」
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実際の授業の雰囲気や先生・先輩たちの声にふれることで、未来の自分が少しずつ見えてくるはずです。

日本児童教育専門学校 講師
保育の豆知識 他
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