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保育園とは違う?児童養護施設で働く保育士の仕事内容や役割

公開日:2020年11月30日 更新日:2023年4月03日

保育園とは違う?児童養護施設で働く保育士の仕事内容や役割


保育士というと街中にある公立や私立の保育園で働くというイメージが強いですが、児童養護施設で保育士として働くという選択肢もあることをご存知でしょうか?

児童養護施設は、死別や虐待、経済的困窮など、様々な事情から保護者と一緒に生活を送ることが困難な、18歳まで(場合によっては20歳まで)の子どもたちが日常生活を営む場所です。今回は、そんな児童養護施設で働く保育士の仕事内容や役割についてご紹介します。

目次

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保育園とは全然違う!?児童養護施設で働く保育士の仕事

保育園とは全然違う!?児童養護施設で働く保育士の仕事

 
保育園(保育所)は、保護者が仕事など何らかの事情により乳幼児の保育が困難な場合に乳幼児を預ける場所で、子どもたちが「一日のうちの何時間かを過ごす場所」ですが、児童養護施設は日々の生活を営む場所であり、いわば「自分の家」なのです。

 

そのため、そこで働く保育士の仕事や役割も、一般的な保育園とは異なります。
では早速、児童養護施設で働く保育士の仕事がどんなものか詳しく見てみましょう。

 

24時間365日体制!夜勤や土日出勤も

児童養護施設で過ごす子どもたちの年齢は必要に応じて乳児から20歳までと幅広く、幼稚園、小学校、中学校、高校…と、成長に応じて日中は施設から通園・通学を行います。

 

幼稚園や学校が終わると、子どもたちは施設に「帰宅」し、施設を自宅として過ごします。そのため、保育士たちは一般的な保育園のように「保護者がお迎えに来たから自分もそろそろ帰宅…」といったことがありません。

 

つまり、土日祝日関係なく、24時間365日体制で保育を行うことになります。
ただ、24時間体制と言ってもシフト制なことが多く休み等はありますが、夜勤や休日出勤は基本的にあるものと考えておいて良いでしょう。

 

あれもこれも!多岐にわたる仕事内容

児童養護施設で働く保育士は、保育園で働く保育士と同じように、食事や排泄の方法を教えたり手伝ったり、成長に合わせた遊びなども行います。

 

しかし、保育園で働く保育士との決定的な違いは、保育園に通園させているお父さんやお母さんが家庭で行っているようなことも仕事内容の一部であるという点です。

例えば、

 

  • ・予防接種や診察のために子どもの付き添いとして病院に行く
  • ・幼稚園や学校とのやりとりをしたり、行事に参加する
  • ・洗濯や掃除など生活に必要な家事を行う
  • ・衣類など生活に必要なものの買い出しをする

 

といった、家庭的なサポートを保育士が行うことも少なくありません。

そのため、一般的な保育士の側面を持ちながらも、保護者のような役割も担うことになります。

 

保育士以外の職員との連携も欠かせない

一般的な保育園では、保育士、栄養士、調理師、園によっては保育補助や事務員の方がいることもあるでしょう。
一方、児童養護施設では、保育士や栄養士、調理師、施設長に加え、次のような職種の職員が必要に応じて配置されています。

 

児童指導員

保育士と同様に保護者の代わりとなって入所児童の生活のサポートや指導を行います

 

個別対応職員

虐待を受けた児童など、集団ではケアできない場合に個別にケアを行います

 

家庭支援専門相談員

入所児童の家庭復帰などを目指して保護者のサポートを行ったり、退所後の子どもたちの相談に応じたり、地域との橋渡し的役割を担います

 

心理療法担当職員

心理療法を用いて入所児童の心のケアを行ったり、場合によっては保護者や他の職員へのアドバイスなども行います

 

嘱託医・看護師

入所している子どもたちの健康管理を行います

 

このように、児童養護施設には様々な職種の職員が配置されているため、他の職種の職員とスムーズな連携を図ることも求められるのです。

 

寄り添う心と責任感を!児童養護施設で働く保育士の役割

 

寄り添う心と責任感を!児童養護施設で働く保育士の役割

 

ここまで児童養護施設で働く場合の保育士の仕事内容についてお伝えしてきましたが、働く上での「心持ち」のようなものも、保育園で働く場合とは少し違うことがおわかりになったのではないでしょうか。

 

児童養護施設で働く保育士には「子どものお世話をする先生」としてだけではなく、次のような役割があると考えられます。

 

時として母や父になるということ

最初にお伝えしたとおり、児童養護施設は、そこで生活する子どもたちにとっては「自分の家」であり、そこで生活を共にする大人たちは、母親や父親のような存在に近いものがあります。

 

そのため、単に「施設で働く大人」と「施設で暮らす子供」の関係ではなく、時には口うるさく叱ったり、冗談を言い合ったり、真剣に将来について語り合ったり、何気ない会話を交わしたりと、本当の母親や父親のような、自然体の愛情を持って接することも保育士の役割といえるでしょう。

 

互いのその後の人生に大きな影響を与えることも

児童養護施設で暮らす子どもたちの中には、幼い頃から精神的・肉体的な苦痛を味わってきた子どもや、何らかの出来事によって心に大きな傷を負ってしまった子ども、日常的にトラウマに苦しめられている子どもも少なくありません。

 

そのため、それらの子どもに関わる保育士自身も、今まで遭ったことのないような体験をしたり、仕事の範疇を超えた「自分がどうあるべきか」といった悩みに直面することもあるでしょう。

 

子どもたちと真剣に向き合うことによって、子どもが人生に対して前向きな気持ちになれたり、保育士自身も人として成長できることがあります。
児童養護施設で働く保育士は子どもたちにとって「人との向き合い方」や「生き方の道しるべ」となるような役割も担っているのです。

 
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児童養護施設の保育士はやりがいのある仕事

同じ「保育士」でも、保育園で働く保育士と児童養護施設で働く保育士には仕事内容や役割など、様々な面で大きな違いがあることがおわかりになったかと思います。

 

シフトの面や仕事内容の多さなど、大変さを感じることもあるかもしれませんが、子どもたちと「一生モノ」の強い絆が築けたり、自分自身も1人の人間として成長できるなど、児童養護施設だからこそ味わえる経験もたくさんあります。

 

保育園に比べ施設数は少ないですが、保育士として、よりやりがいのある仕事をしたいという方はにとっては検討してみる価値は十分にあるでしょう。

 

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