保育士コラム
保育士コラム
公開日:2021年5月17日 更新日:2023年5月31日
保育士の配置基準は、運営する側、働く側、そして預ける側にとっても非常に重要な目安となるものです。しかし、配置基準はどの施設でも同じというわけではありません。
また、近年は慢性化する保育士不足から配置基準の見直しが行われるなどの対策もとられています。本記事では、そんな保育士の配置基準について詳しく解説します。
目次
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保育士の配置基準とは、保育士1人が対応可能とする子どもの数の基準です。
子どもの安全を確保するために定められている基準のため、基本的にはお世話に手のかかる低年齢の子どもほど、1人の保育士が保育できる子どもの数は少なくなります。
ただ、国、自治体によってその配置基準は次のように異なります。
国が定める配置基準では、保育士を運営する場合には常時2名以上の保育士の配置が必要であるとともに、原則として次の基準を下回らないことと定められています。
子どもの年齢 | 保育士:子どもの人数 |
0歳 | 1 : 3 |
1~2歳 | 1 : 6 |
3歳 | 1 : 20 |
4歳以上 | 1 : 30 |
国とは別に各自治体が保育士の配置基準を定めている場合もありますが、国が定める配置基準を下回ることはできません。
そのため、国とは別の配置基準を設定する自治体では、基本的には国が定める配置基準よりもさらに厳しい配置基準を設定し、保育の質がより高まるように努めています。
共働き家庭や核家族化の増加により、子育て支援の強化が必要であることから、平成27年4月より「子ども・子育て支援新制度」が施行されました。
これにより、認可保育園や認定こども園、幼稚園に加え、次のような認可事業も国と自治体が公費を支援する形となり、利用者の保育の活用の幅が広がりました。
なお、これらの各認可事業の配置基準は次のように定められています。
小規模保育園では、年齢は0歳~2歳児まで、定員は6人~19人と定められており、配置基準はA~C型までの認可基準によって次のように異なります。
内容:保育所の分園などで、職員全員に保育士資格が必要
定員:6~19人以下
保育士(家庭的保育者):子どもの人数
0歳児…1:3
1~2歳児…1:6
内容:職員全体の1/2以上に保育士資格が必要。特例として保健師や看護士も保育士と認められる。
定員:6~19人以下
保育士(家庭的保育者):子どもの人数
0歳児…1:3
1~2歳児…1:6
内容:家庭的保育者の資格が必要
定員:6~10人以下
保育士(家庭的保育者):子どもの人数
0~2歳児…1:3
家庭的補助者が付く場合は1:5
家庭的保育事業では、自宅など小規模な場所で保育を行います。定員は5人以下と定められています。
・子どもの年齢
0~2歳
・家庭的保育者:子どもの人数
1:3
※家庭的補助者が付く場合は1:5
事業所内保育事業では、会社の保育施設などで保育を行います。
・子どもの年齢(0~2歳)
定員:19人以下
保育士:子どもの人数
小規模保育園・A型・B型の配置基準と同じ
定員:20人以上
保育士:子どもの人数
国が定める配置基準と同じ
居宅訪問型保育事業では、保育者が子どもの自宅を訪問して保育を行います。
なお、保育士に関しては自治体が実施する研修を受けた保育士や、保育士資格がない場合でも、市町村長から保育士と同等の技術や知識があると認められている人であれば保育が可能です。
・子どもの年齢(0~2歳)
定員:1人
保育士:子どもの人数
1:1
ここまで保育士の配置基準についてご紹介してきましたが、これらの配置基準は平成28年4月に規制緩和が行われるまでは、約70年間もの間変わっていませんでした。
保育士の配置基準が緩和された理由としては主に次の3つの理由が挙げられます。
内閣府「男女共同参画白書(概要版)平成30年版」によると、昭和55年には約614万世帯程度だった共働き世帯が、平成29年には1,118万世帯にまで増加しています。
このことからも、子どもを保育園に預けたいと考える家庭が増加していることは明らかです。
内閣府「保育所等待機児童数と保育所等定員及び放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数の推移」によると、規制緩和が行われた平成28年までは、毎年保育所等定員に対して保育所等待機児童数が大幅にオーバーしており、平成14年においては196万人の保育所等定員に対して保育所等待機児童数は25,447万人と全く需要に追いついていない状態でした。
保育を必要とする家庭が増加する一方、厚生労働省が平成26年に発表した「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて」によると、平成29年度末時点で約7.4万人不足していることがわかっています。
その背景には賃金の低さや休暇の少なさなどがあるとみられます。
ここからは保育士の配置基準の計算方法について1~3の手順に分けてご紹介します。ここでは、0歳児~5歳児までの保育を行う、定員が125名の保育園と仮定します。
年齢ごとに定員を設定します。
・0歳児:9人
・1歳児:18人
・2歳児:18人
・3歳児:20人
・4歳児:30人
・5歳児:30人
①の各定員を国が定めた設定基準で割ります。
※国の定めた配置基準は、国によって定めた基準を下回らないことが原則となっています。そのため、自治体によっては余裕をもって保育をすることができるように、保育士1人当たりに対する園児の人数を減らしている自治体も存在しています
定員:9人
定員数÷国が定める設定基準:9÷3=3
必要な保育士の人数:3名
定員:18人
定員数÷国が定める設定基準:18÷6=3
必要な保育士の人数:3名
定員:18人
定員数÷国が定める設定基準:18÷6=3
必要な保育士の人数:3名
定員:20人
定員数÷国が定める設定基準:20÷20=1
必要な保育士の人数:1名
定員:30人
定員数÷国が定める設定基準:30÷30=1
必要な保育士の人数:1名
定員:30人
定員数÷国が定める設定基準:30÷30=1
必要な保育士の人数:1名
上記で算出された保育士の人数は、日中の保育で必要な保育士の人数です。園が朝夕に延長保育を実施する場合には、上記に加え必要となる保育士の人数を加算する必要があります。
国や各自治体で様々な取組みがなされてはいるもの、依然として深刻な保育士不足の状態は続いており、今後もすぐには改善されないことが見込まれます。
しかし、質の高い保育の下、将来を担う子どもたちが日々安心・安全に過ごせるようにするためには保育士の設置基準は必ず遵守されるべきです。
今後も、国や各自治体が継続して保育士の待遇改善や保育環境の整備に力を入れてくれることを切に願います。
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