保育士コラム
保育士コラム
公開日:2022年1月11日 更新日:2023年12月18日
漠然と子どもに関わる仕事をしてみたいと考えている方の中には、幼稚園と保育園、託児所の違いが分からないという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、これら3つの施設の違いや特徴について解説していますので参考にしてください。保育士不足が課題となっている昨今、保育士の資格を取得し貴重な人材として活躍しましょう。
目次
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幼稚園の管轄は文部科学省で、勤務するためには幼稚園教諭の資格が必要です。子どもを保育する保育園と違って、子どもを教育する施設であると考えるとよいでしょう。
さまざまな教育方針を掲げる個性的な幼稚園があるため、子どもを入園させるにあたって教育方針などを詳しく調べる保護者も多いのが特徴です。公立と私立でもそれぞれに異なる特徴が見られます。ここでは幼稚園とはどのような施設なのか、主な特徴について解説します。
幼稚園は文部科学省が管轄する幼児の教育施設です。受け入れ年齢の定めは特にありませんが、教育施設である特性上、一般的には3~6歳の子どもを対象にしている幼稚園が多くなっています。近年では2歳児クラスを設けている園も見られようになってきました。
保育時間は幼稚園にもよりますが、9時から14時ごろまでという園がほとんどです。保育時間終了後に延長保育を行っている幼稚園もあります。近年では保育園でも教育的な面を重視する傾向がありますが、幼稚園では文字などを教える幼児教育が基本です。
幼稚園は、施設の運営母体の違いによって公立と私立に分かれます。
公立幼稚園の多くは、私立幼稚園よりも余裕のあるスケジュールが特徴の一つです。4歳の年中児から2年保育を実施している公立幼稚園が一般的ですが、3年保育の場合もあります。
私立幼稚園では運営母体の経営方針によって、独自のカリキュラムや特色を押し出しているところが多いでしょう。年少からの3年保育が多いですが、2歳からの4年保育をしているところもあります。英語や体操、音楽など各種教室がある園や宗教系列など選択肢の幅も広いのが私立幼稚園です。
認可保育園は、保護者が仕事をしているケースなど保育が必要になった子どもを預かる児童福祉施設です。管轄しているのは厚生労働省で、子どもを預けるには自治体に保育利用の申し込みをします。
ただし最近では認可保育園を希望する保護者が多いため、保育に欠ける要素などを点数化した上で点数順に希望の保育園への入園が決まっていく仕組みです。待機児童が多い昨今では、必ずしも第一希望の園に入園できるとは限りません。
保育園は、仕事など保護者の事情により昼間に子育てができない親の代わりに子どもを保育する施設で、厚生労働省が所轄官庁です。0~6歳を対象とし、多くは7時から19時まで保育を行っています。
公立保育園と私立保育園がありますが、基本的に保育指針に沿って年齢に応じた保育をするため、保育内容にはあまり変わりはありません。しかし、公立保育園の職員は地方公務員のため、安定して長く働く人が多い傾向があります。その分経験を積んだ保育士が多いので、保育の質が均質化されているなどの特徴もあります。
保育園には、施設基準などを満たして自治体などから認可されている認可保育園、認可されていない認可外保育園があります。
認可外保育施設は公的な補助金などの収入源がありません。また施設などへの基準はあるものの認可保育所よりも緩やかです。
すべての認可外保育所が認可されるのを目指しているわけではありません。
なぜなら、認可保育所の基準にはなじまない方針がある場合や、特定の子どもを預かる、独自の教育プログラムを展開するなどのケースもあるからです。認可外保育園だからといって、認可保育園よりも劣っているとは一概には言えません。
託児所は、企業が従業員向けに設立した施設や、夜間も預かってくれるベビーホテル、美容院やスキー場などの商業施設の一時預かりなど形態が幅広いことが特徴です。
託児所には管轄する省庁はなく基準は緩やかです。前述した認可外保育施設のうちの一つとしてカテゴライズされています。一般的には規模が小さい施設が大半で、認可保育園に入れない子どもを預けるケースが増えています。
前述したように、託児所には管轄省庁や厳しい基準がないため、経営の自由度が高いとされています。したがって、さまざまな目的に沿った運営形態の託児所があります。子どもの受け入れ年齢や保育時間なども、託児所ごとに大きく異なるでしょう。独立した保育園のような保育施設やイベントでの一時預かりなど、幅広い形態の託児所があります。
ただし、託児所を運営する際には、自治体に認可外保育施設設置届出書の提出が義務付けられています。
託児所の多くは預かる子どもの人数が少ないため、小規模で家庭的な雰囲気です。子どもたちの様子を把握しやすく、子どもの小さな変化にも気づきやすい環境といえるでしょう。
一方で一時預かりを主にしている施設では、1日に何人も顔ぶれの異なる子どもを預かることや、新規で預かる子どもが多い傾向があるでしょう。新規の子どもを預かるという点においては、子どもの性格や特長が掴めないまま業務を行うため、気を使う場面があります。
ただし、多くの託児所には保育園のようなイベントはないので、準備や事務作業など行事関連業務の負担は軽いのが一般的です。
子どもと関わる仕事でも、幼稚園や保育園、託児所はそれぞれ管轄や保育の形態などが異なります。教育的な要素が強い幼稚園、保育が中心の認定保育園、認可外保育施設である託児所、というように保育施設ごとの違いや特徴を把握しておくことが大切です。
これから保育士を目指す方は、自分に合う保育施設を選んで活躍してください。
幼稚園、保育園、託児所、それぞれの特徴について説明してきました。各施設の特徴は、何となく、お分かり頂けたかと思います。ここからは、「託児所と保育園と幼稚園の違い」に着目していきましょう。以下の表は、この3種類の施設を比較したものです。
幼稚園 | 保育園 | 託児所 | |
所轄官庁 | 文部科学省 | 厚生労働省 | 厚生労働省による指導監督基準あり |
対象年齢 | 3〜6歳 | 0〜6歳 | 託児所による |
保育時間 | 平均9:00〜14:00 | 保育園による | 託児所による |
開設条件 | 文科科学省の定めによる | 厚生労働省の定めによる | 市区町村等に届け出が必要な場合もある |
特徴 | 教育的指導を行う | 保護者からの委託で保育を行う | 一時的に子どもを預かる |
資格 | 幼稚園教諭免許 | 保育士資格 | 従事者の中の一定数 保育士資格又は看護師資格 |
この表から、幼稚園と保育園と託児所に違いがあることが、よく分かるのではないでしょうか。では、それぞれの施設の、所轄官庁、対象年齢、保育時間について、紹介していきます。
所轄官庁はない、と言われていますが、規模等によっては、厚生労働省が定めている「認可外保育施設指導監督基準」に基づくことが必要になります。
対象年齢は、各託児所が決めていますが、乳幼児、小学生の場合が多いと言えます。
保育時間も、各託児所が定めています。
所轄官庁は、厚生労働省です。保育園(所)は、児童福祉法に定められている児童福祉施設です。
対象年齢は、基本的には、0歳から小学校就学前までですが、0~2歳児までに限った保育園もあります。
保育時間は、標準8時間ですが、地域の実情に応じ、各保育所によって異なります。その保育時間の中で、保護者の事情に合わせて、それぞれの子どもの保育時間が決まります。
対象年齢は3歳から小学校就学前までです。
保育時間は、標準4時間ですが、その時間帯の前後に、預かり保育の時間を設けている幼稚園もあります。夏休みや冬休みにも、預かり保育を行って、働く保護者等のニーズに応じている場合もあります。
託児所の仕事内容
対象の子どもの年齢が幅広いので、それぞれに合わせた仕事内容になります。ミルクをあげたり、オムツ交換をしたり、といった、赤ちゃんのお世話もあります。食事の介助、お昼寝の見守りなどの生活面の仕事、発達に応じた遊びを考える活動面の仕事があります。おもちゃや絵本、工作の準備をして一緒に遊んだり、散歩に出掛けたりして、子ども達にとって楽しい時間になるようにします。
一時的に来る子どもたちが多く、初めは慣れないために泣いたりすることもあるので、一人一人、丁寧に相手をすることが大切になります。
健康状態をチェックすること、清潔を保つこと、安全管理を行うこと、などは、子どもを保育する施設に共通の仕事です。
託児所の規模等によって異なりますが、一般的には、働く方の3分の1以上が、保育士資格、看護師資格保有者であることが求められます。また、常時、保育士資格、看護師資格保有者が居ることが望ましいとされています。
資格がなければ働けない、ではありませんが、子どもを保育するという責任ある仕事をする上で、有資格であることが望ましいと言えるのではないでしょうか。
日本児童教育専門学校Japan Juvenile Education College
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