保育士コラム

保育士になるためには

保育士を目指す面接対策!注意点や回答例を解説

公開日:2022年8月12日 更新日:2024年8月30日

保育士を目指す面接対策!注意点や回答例を解説

 
保育士とは、児童福祉法第18条で「保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定められた職業です。国家資格が必要な職業で、保護者の代わりに子どもの世話をします。 ※参考:e-Gov法令検索. 「児童福祉法」  
 
保育士の就活は毎年4月頃から求人募集が始まり、6月頃にエントリー、8月頃から採用試験や面接が行われる流れです。今回は、保育士の面接対策について詳しくご紹介します。  
 

目次

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面接当日までに準備すること

他業種の面接でも言えることですが、面接当日までに必ず把握しておきたいのが、面接を受ける保育園の情報です。求人票はもちろん、園のホームページや配布資料などをチェックし、保育理念や経営方針、保育園の特徴などを理解した上で、質問に対する答えや志望動機を考えておきましょう。
 
面接を受ける園の情報だけではなく、保育業界全体について調査し、情報を整理しておくことも大事です。保育業界が抱える問題や将来的な展望などを改めて考えることで、自分自身の考える保育方針や保育士像についてアピールしやすくなるでしょう。
 
面接の練習や面接時の身だしなみは、保育士の面接であっても特に他の業種と大きく異なる点はありません。身だしなみについては後述しますが、評価の対象となるため一般的な就活マナーとしてあらかじめ確認しておくべきです。

 

当日の持ち物

 

当日の持ち物としては以下のものが挙げられるでしょう。

  • かばん
  • クリアファイル
  • 履歴書(当日持参の場合)
  • 職務経歴書(当日持参の場合)
  • 保育士資格証(当日持参の場合)
  • 筆記用具
  • メモ帳
  • 印鑑
  • etc…

 

保育士の面接では、ビジネス用のかばんを持参するのが基本です。A4サイズの書類が入る大きさのものだと使い勝手がよいでしょう。

もらった資料や書類を入れられるようなクリアファイルがあると、かばんの中が散らからずにすっきりと持ち運びできそうです。

 

面接の練習

 
何も練習せずにいきなり面接本番を迎えてしまうと、話す内容に矛盾が生じたり、思うように話せなかったりすることがあります。そのため、面接前には練習をしておくことが大切です。
 
実際に面接を受けているように、自己PRや質問に対する答えなどを声に出して話してみる、伝えたいことを簡潔に答えられているかどうかを確認しましょう。1人きりで練習するだけではなく、誰かに面接官役をしてもらって客観的なフィードバックをしてもらったり、その様子を撮影して見直してみたりすることも効果的です。
 
質問に対する答えは、30秒~1分程度にまとめるのも面接時の基本です。答えが冗長になっていないか、質問に対して回答内容がズレていないかもチェックしましょう。
 

身だしなみの確認

 
面接時の身だしなみは、その人の第一印象をある程度決定づけ、面接の評価にも直結するポイントなので必ず確認しましょう。清潔感のあるスーツ、足元は革靴かパンプスが面接時の服装の基本中の基本です。新卒はリクルートスーツが一般的ですが、中途採用の面接であればオフィスカジュアルが適しています。
 
オフィスカジュアルとは、スーツほどフォーマルではないものの、ビジネスの場にふさわしい服装のことです。オフィスカジュアルの判断が難しいことがありますが、柄のない派手すぎないジャケットにパンツまたはスカートに3~7cm程度のヒールの組み合わせがおすすめです。
 
面接時の髪型も、印象を左右するポイントです。男性なら整髪料で整えておでこを出し、女性の長い髪は1つに結びます。女性の前髪は分けるか、ピンで留めましょう。男性のひげは剃っておく、女性のメイクは派手すぎないナチュラルメイクが無難です。
 

面接時の注意点

面接時の注意点
面接を成功させるには、いくつかの注意点があります。前述のように身だしなみを含めたマナーをしっかりと押さえておくことは重要です。基本的な挨拶がしっかりとできるかどうか、面接中の振る舞いなどのマナーが身についているかどうかも、人柄を判断するために面接官はチェックします。
 
その他にも、面接での受け答え方や回答の内容は、応募者が志望する園や保育に対する熱意や仕事に対するやる気、面接に対する姿勢などが面接官に伝わるものです。これらを意識して、面接に望みましょう。
 

挨拶とマナー

 
挨拶は、受付や入退室の際に必ず行います。面接本番では、入室の指示が出てからドアを3回ノックし、「どうぞ」と言われてから「失礼します」の挨拶とともに入室します。ドアの開閉はできるだけ静かに、音を立てないように行いましょう。
 
面接官の前で氏名を名乗り、会釈して「本日はよろしくお願いします」と挨拶します。椅子に座るのは着席を促されてからで、「失礼します」と言ってから着席しましょう。
 
面接では、面接官から名刺を渡されることがあります。その際は、机を挟むことなく面接官の正面に立ち、名刺を両手で受け取って「ありがとうございます」の一言を添えます。
 
面接終了後は、「ありがとうございました」と面接への感謝を伝えてから45度の角度の最敬礼をしてから退室しましょう。
 

表情と声の出し方

 
無表情や暗い表情、うつむいた状態は、悪い印象を与えかねません。面接では、まっすぐ面接官の目を見ながら明るい表情で話すのが基本です。かといって、歯を見せて極端な笑顔を作るのも不適切です。
 
明るい表情を作るには、口角を上げた状態を常に意識するといいでしょう。もし目を合わせるのが苦手という方は、面接官の眉間や鼻など顔の中心部分を意識して見ると、視線が合ったように見えます。ただし、目線を合わせているわけではないので、できるだけ面接官の目を見て話しましょう。
 
面接で話すとき、どうしても緊張して早口になってしまったり、上ずった声になったりすることがあります。話すのが苦手な方は特に、回答が聞き取りづらくなることもありがちです。
できるだけハキハキと、聞き取りやすい声で話すことが求められるので、適度なボリュームで、落ち着いた口調で話すことを練習しておくと、面接本番でもスムーズに話しやすくなります。
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面接でよく聞かれる質問と回答例

面接でよく聞かれる質問と回答例
面接官は、質問を通して応募者の人柄や意欲を把握し、さらに履歴書やエントリーシートと実際の情報が一致しているかも確認します。そして、保育園の理念や保育方針と応募者の考え方に相違がないかどうかも、面接官のチェックポイントです。
逆に考えると、応募者はこのような面接官からの質問の意図を把握しておけば、適切な回答ができます。
 
また、面接での質問に対する回答は、あいまいで伝わりづらい内容や考え方が浅いと感じられないよう、わかりやすく簡潔に伝えることが重要です。
 
では、具体的にどのような質問が頻出し、それぞれの質問にどのように回答すればいいのか、質問内容と回答例をご紹介します。
 

志望理由

 
多数の保育園の中からなぜこの保育園を志望したのか、面接官はまずその理由を知りたいと考えています。「自宅から通いやすいから」「条件が良いから」などの回答よりも、保育園が掲げる理念や保育方針に共感した、見学した際に保育環境に魅力を感じたなど、応募先の保育園の特色や実際の様子で感じたことなどを踏まえた回答をしましょう。
 
パートやアルバイトの面接の場合は、働きやすい雇用形態である点なども志望理由として挙げられます。
 
回答例:貴園で見学をさせていただいた際、自由でのびのびとした雰囲気と少人数制で一人ひとりに目が行き届く保育が魅力的と感じました。
子どもたちにしっかりと向き合った保育ができると感じ、貴園を志望いたしました。
 

保育士を志した理由

 
保育園の面接では、人柄をチェックしたり保育への熱意を確認したりする目的で、なぜ保育士という職業を志したのかもよく質問されます。
 
この質問に対しては、過去の経験や自分自身の子ども時代の記憶などを含める、または子どもが好きだから、工作や音楽などの得意分野が保育の現場で活かせそうだからなどの理由も回答例として挙げられます。
 
回答例:保育園にいた頃、保育園の先生がいつも絵や工作の出来を褒めてくれたことが今も記憶に残っています。そのときの経験から自信がつき、図画工作や美術が得意科目になりました。
子どもと一緒に遊ぶ工作も得意なので、保育士の仕事で私の技術が活かせると思い、保育士を志望いたしました。
 

自分の長所・短所

 
長所と短所は、保育士に限らず多くの職種の面接で必ずといっていいほど質問されるので、あらかじめ回答を用意しておきましょう。
 
「長所は具体的に、短所は改善方法も含めて答える」が基本ですが、加えて保育士の面接では長所と短所どちらも保育士としての適正に結び付けられる内容にするのがベストです。短所を説明する際は、最初に短所を簡潔に述べた後で、どのような改善努力をしているかの例を挙げます。
 
回答例:長所は、コミュニケーション力の高さです。学生時代のクラスやアルバイト先ではまとめ役として、円滑な人間関係を進める努力をしてきました。保育士の仕事でも、幅広い人とのやり取りでこの長所が活かせると自負しています。
 
短所は、慎重すぎる点です。しかし、その分前もって準備をすすめるようにしていました。子どもたちの安全を守る立場である保育士の仕事では、この慎重すぎる点も長所にできると考えています。
 

保育士のあるべき姿

 
「保育士はどうあるべきか」も、保育士の面接でよくある質問です。意味の捉え方によってはさまざまな回答ができるため、この質問に対する明確な答えはありません。保育士についてどのような考えを持っているか、自分が考える理想の保育士像などの個人的な意見や思いだけではなく、社会的に保育業界がどのような立場にあるかなど、保育業界も含めた視野の広い回答もできます。
 
ここで注意したいのが、ただ理想や志だけを語らないということです。語るだけでは具体性に欠けるので、その思いを元に何をすべきか何を実現したいかなど、具体的に伝えましょう。
 
回答例:一人ひとりの子どもに責任感を持って保育の仕事に向き合うのが、保育士のあるべき姿だと思います。
保護者の方から大事なお子様を預かる仕事なので、子どもに寄り添いながら、悪いことは悪いとしっかり指導することが大切だと考えています。
 

志望した園に入ったら行いたいこと

 
こちらも他業種でよくある、「就業後に何をしたいか」という質問です。つまり、内定後にどのような仕事をしたいかを答えます。新卒であれば、これまで学んだことを活かせる仕事、中途採用の場合はこれまでの就業先での経験やキャリア、スキルを説明し、その内容を活かしたり、さらにキャリアアップできたりする職務内容のイメージを伝えてもいいでしょう。
 
回答例:クラス担任を担当させていただきたいと希望しています。前職では、担任の保育士のサポートを行ってきました。補助的な役割を通して担任の仕事を学んできたので、貴園ではより責任感の高いクラス担任を志望いたします。

 

保育士として大切にしていること

 

保育士として大切にしていることを聞かれる質問では、保育観や考え方をみています。

 

自分なりに保育士として一番大切だと思うことに加えて、具体的にどんな行動を取るようにしているかを伝えるといいでしょう。

 

回答例:「保育士として大切にしているのは、『子どもの心に寄り添うこと』です。乳児期・幼児期に受ける大人からの限りない愛情が、自分自身を大切にし、周りを大切にすることに繋がっていくと私は考えています。保育園はその人間関係の基礎をつくる大切な場所なので、否定や押しつけをせず、子どもたち一人ひとりの存在を肯定し、それぞれの心に寄り添うことを大切にしています。」

 

他の園にも応募していますか?

 

他の園にも志望しているかを聞く場合、園への熱意を確認したいというねらいがあります。

 

園としては、「どこでもいいから採用されたい」と考える人材よりも「この園だから志望している」という熱意ある人材を採用したいと考えるのが当然です。

 

他にも志望している園がある場合は正直に答えてかまいませんが、ポイントとして、この園が第一志望であると伝えるようにしましょう。

 

回答例:「他にも応募させていただいた園はありますが、私としては貴園を第一志望と考えています。貴園の保育理念は他にはなく、貴園であれば私の理想の保育が実現できると思っています」

 

転職時の面接でよく聞かれる質問と回答例

 

次に、転職(ブランクからの復職含む)の場合の保育士面接でよくある質問と回答例を2つご紹介します。

 

転職の理由をお聞かせください。

 

転職の場合の退職理由は、採用者として最も気になるポイントです。

 

もしも性格面や考え方に問題があり職場を変えているような人であれば、採用してもまたすぐに辞めてしまうリスクがあるためです。

 

安心して採用してもらうためには、転職理由がただの不満として伝わらないよう、ポジティブに言い換えることが重要です。

 

そのうえで、客観的に「その理由なら続けるのは難しかったよね」「うちでは同じ状況になることはなさそうだな」と思ってもらえるとベストです。

 

回答例:前園では、挨拶をしても返してもらえないなど保育士間のコミュニケーションがうまく取れておらず、そのために思うような保育をできずにいました。こちらから積極的に話しかけるなど改善できるよう努力もしましたが、残念ながら改善にはいたりませんでした。大人の都合よりももっと子どもに向き合って子どものための保育を追求していきたいと思い、転職を決意しました。

 

前園(前職)ではどのような経験をされましたか?

前職での経験を聞かれる場合、どのくらいの戦力になる人材なのかを見極めたいねらいがあります。

 

ここで経験をしっかりアピールできれば、採用に有利にはたらくはずです。

 

この質問の回答では、自分の能力が相手に伝わるような回答を心がけましょう。

 

回答例:前園では3年間勤務し、4歳児クラスと5歳児クラスの担任を担当させていただきました。そのため、年長児との関わりには自信があります。また大人数のクラスを経験しておりますので、集団の対応にも慣れております。もちろん、乳児クラスとのかかわりもありましたので、どんな年齢でも問題なく対応できると思っております。

 

保育士ならではの質問

 
ここまでの質問は比較的他業種でもよくある質問でしたが、保育士の面接では保育士ならではの質問をされることがあります。例えば、子どもの世話の難しい点、ピアノのスキル、子どもの頃に好きだった遊びや絵本などの、子どもに関する質問です。
 
その他にあるのが、面接の最後に聞かれることが多い「逆質問」です。
 

何か質問はありませんか?

 
この逆質問は、ここまでの面接での不明点を確認するとともに、応募者の意欲や熱意を知る意味も持ちます。そのため、「質問は特にありません」と答えてしまうと、熱意が足りないと印象づけられてしまうこともあります。
また、Webサイトなどで調べてすぐわかるような内容や具体的な雇用条件についての質問、「はい」「いいえ」で答えられる質問は避けるのが無難です。
 
逆質問は、熱意をアピールできるものです。積極的に質問をするためにも、あらかじめ質問を5つほど考えておきましょう。
 

まとめ

 
保育士の面接では、他業種でもよくある質問に加えて、保育士ならではの質問をされることがあります。
事前に準備しておけば、どのような質問があってもスムーズに答えられるので、面接対策をしっかりと行い、保育士の面接に臨みましょう。
 

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