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保育士の将来性は? 保育業界の需要や続けるメリットを解説

公開日:2023年7月28日 更新日:2024年4月18日

保育士の将来性は? 保育業界の需要や続けるメリットを解説


保育士として働いている方やこれから保育士になろうとしている方のなかには、「少子化の影響もあり、今後は保育士の仕事が減ってしまうのではないか」と、心配になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、最近は少子化の問題を耳にする機会が増えましたが、一方で共働きによって保育ニーズが増加したり、保育士の活躍の場が広がったりと、保育士の需要はなくなっていません。保育士の将来性は、十分にあります。

本記事では、保育業界の需要や今後も保育士を続けるメリットを解説します。このまま保育士を続けていいのか不安になっている方は、ぜひご一読ください。

目次

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保育士の仕事に将来性はある?

保育士の仕事に将来性はある?
保育士の仕事には、将来性が十分にあります。少子化が進んでいるとはいえ、共働き世帯からの保育ニーズが増加したり、保育士の活躍の場が多様化したりしているからです。また、会計や事務などの仕事とは違い、保育士の業務内容はロボットに任せることはできません。多角的な視点から考えてみると、保育士の仕事は変え難いものなのです。
 
ここからは、保育士の仕事に将来性がある3つの理由を順に説明します。
 

共働き世帯の増加

 
保育士の将来性がある理由の一つに、共働き世帯の増加が挙げられます。共働き世帯の数は、平成12年は942万世帯であったのに対し、令和3年には1,247万世帯にまで増加しています。平成8年以降は夫婦どちらかが働いている世帯よりも、共働き家庭の方が多く、年々増加しているのが現状です。「出産後も仕事を続けたい」という方が増えているため、保育所のニーズは高まっています。
 
また待機児童数は、令和4年4月1日の時点で2,944人です。全国の市区町村のうち、15.5%の地域で待機児童がいる状態です。令和3年から始まった新子育て安心プランにより、待機児童の解消が進んでいますが、解消しきれてはいません。
 
共働き世帯が増えていることと、待機児童が解消し切れていないことから、保育ニーズはまだまだなくなることはないでしょう。
 
参考:厚生労働省. 「図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移」.

参考:厚生労働省. 「令和4年4月の待機児童数調査のポイント」.
 

さまざまな勤務先がある

 
保育士にはさまざまな勤務先があることも、将来性がある理由の一つです。多様な保育ニーズに応えるために、一般的な保育所以外にも、認定こども園や企業主導型の保育所など保育士を必要とする施設が増えてきています。
 
ここからは、保育所以外の代表的な勤務先を説明します。
 

認定こども園

 
認定こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設です。行政の窓口は、幼稚園が文部科学省、保育所が厚生労働省ですが、認定こども園は内閣府子ども・子育て本部が担当しています。
 
認定こども園と一言でいっても、幼保連携型、保育所型、幼稚園型、地方裁量型の4つの種類があります。この施設で働く職員は保育教諭とも呼ばれており、幼保連携型の場合は基本的に保育士資格と幼稚園教諭の両方の資格を取得していなければなりません。その他の認定こども園は、3歳未満児を担当する場合は保育士資格、3歳以上児を担当する場合は両方の資格が必要です。
 
しかし、保育士資格しか持っていないからといって、諦める必要はありません。保育士資格を持っている場合は、令和7年3月31日まで特例制度が設けられているからです。実務経験が3年、かつ4,320時間以上あり、大学において修得が必要な8単位を修得していれば、各都道府県教育委員会の教育職員検定に合格すると幼稚園教諭免許状が取得できます。認定子ども園は保育士として働きながら、キャリアを広げられる職場です。
 
参考:文部科学省. 「幼稚園教諭免許状授与の所要資格の特例に関するQ&A」.
 

民間や企業が運営する保育施設

 
民間や企業が運営する施設とは、児童福祉施設ではない民間企業が運営する保育所です。企業主導型保育事業と言われており、小規模施設や企業内保育所、商業施設内の託児所など、さまざまな施設があります。
 
企業主導型の保育施設は、一般的な保育所よりも保護者のニーズに合わせたサービス提供が行われています。例えば、一般的な保育所は平日の7時から19時まで開所しているのに対し、企業主導型の保育施設は24時間保育や土日の開所なども行っています。もちろん、一般的な保育所と変わらない開所時間で、別のサービスに力を入れているケースも少なくありません。
 
「少人数保育がしたい」「より保護者のニーズに応えられる保育に携わりたい」などの思いがある方は、自分の考えに合う保育施設を探して働くことも可能でしょう。
 

AIに取って代われない仕事である

保育士に将来性がある理由には、AIに取って代われない仕事であることも挙げられます。AIとは、人間の思考と同じような手順で動作するプログラムのことです。飲食店では料理や飲み物を人間の代わりに運ぶロボットが活躍していたり、コンビニではセルフレジの導入により人員削減がされていたりと、人の仕事をAIを活用したロボットが取って代わって行っていることがあります。
 
しかし、保育士の仕事はロボットでは行えません。子どもやその保護者の気持ちを汲み取って対応したり、子ども一人ひとりの成長具合に合わせて保育を行ったりする必要があるからです。出欠連絡や連絡帳のやりとりは、技術の進化によりICT化が進んできている保育所もありますが、保育自体をシステム化するのは難しいです。保育士の仕事がAIに取って代わられる可能性は低いため、保育士は今後も長く活躍できるでしょう。

有効求人倍率で見る保育業界の需要

有効求人倍率で見ても、保育士の需要があることが分かります。例えば、令和5年1月における全職種の有効求人倍率の平均は1.44倍なのに対し、保育士の平均は3.12倍です。前年の有効求人倍率と比べても、0.2ポイント上昇傾向になっています。
 
令和2年以降は少し下がっているものの、現在も保育士の有効求人倍率は高い数値を維持しています。
 

社会人からキャリアチェンジで保育士へ

 

将来性の高い保育士を続けるメリット

将来性の高い保育士を続けるメリット
 
将来性があるとはいえ、「給料が安い」「なかなか昇給しない」などのイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。しかし、現在は政府が保育士の処遇改善に向けてさまざまな取り組みを行っています。
 
平成25年度には保育対策関係予算案に保育士の処遇改善の内容が盛り込まれ、平成29年度からは「技術・経験に応じた処遇改善」の制度が実施されました。これにより、中長期的な視点で保育士の雇用が守られるようになりつつあります。
 
ここからは、保育士の賃金改善やキャリアアップ形成を後押しする保育士処遇改善等加算(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)の内容を踏まえながら、保育士を続けるメリットを紹介します。
 
参考:内閣府. 「平成25年度保育対策関係予算案の概要」.
 
参考:内閣府. 「技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について」.
 

勤続年数が増えると給与の基礎分が上がる

 
保育士を続けるメリットの一つに、勤続年数が増えると給与の基礎分が上がることが挙げられます。これは、保育士処遇改善等加算Ⅰに定められている施策の一つです。保育に携わる人材の確保や資質の向上、安定的な保育を提供するために、長く働ける職場作りの一貫として開始されました。
 
加算額は保育所の開所日数や子どもの年齢などによって異なりますが、数千円の加算になる場合が多くなっています。
 
参考:内閣府. 「処遇改善等加算Ⅰについて」.
 

キャリアパスの選択肢が増える

 
キャリアパスの選択肢が増えることも、保育士を続けるメリットの一つです。保育所では園長や主任などの役職がメインでしたが、保育士処遇改善等加算Ⅱによりキャリアアップの仕組み作りが支援されるようになりました。そのため、保育所によっては副主任や分野別のリーダーなどの役職が設けられています。役職に就くことでキャリアの幅も広がり、転職を考えたときの選択肢も増やせます。
 
参考:内閣府. 「技能・経験に応じた処遇改善等加算Ⅱの仕組み」.
 

政府の補助で給与の底上げが維持される

 
政府の補助で給与の底上げが維持されていることも、保育士を続けると得られるメリットです。令和4年2月から9月まで保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業として収入を約3%(月額約9,000円)引き上げるための措置制度が実施されていました。この事業が、令和4年10月より処遇改善等加算Ⅲとして引き続き行われています。職員の継続的な賃上げが目的で、職種や雇用形態を問わず全職員が対象になります。
 
子どもの数や利用数などによって加算額が変わるため、金額はやや変動する恐れがありますが、引き続き行われている制度のため、給与の底上げは今後も期待できます。
 
参考:横浜市. 「子ども・子育て支援新制度 令和5年度 説明テキスト」.
 

保育士としての専門性を高める方法

 
保育士歴が浅いと、目の前の仕事で手いっぱいになるかもしれませんが、長く続けていくとより高い専門性を求められるようになります。働き始めて少し余裕を持って保育できるようになってきたら、キャリアアップやスキルアップを図ることが大切です。
 
ここからは、保育士としての専門性を高める方法を紹介します。
 

キャリアアップ研修を受ける

 
スキルやキャリアを高めるためには、厚生労働省が主体となって開催しているキャリアアップ研修を受講するとよいでしょう。都道府県、または都道府県知事の指定した研修実施機関で受けられる研修で、専門分野別研修やマネジメント研修、保育実践研修があります。専門分野別研修では、障害児保育、食育・アレルギー対応、保健衛生・安全対策など、6つの分野の専門的な学びが可能です。
 
特に深めたい分野を絞って知識を付けられるのはもちろん、今後リーダー的な役割を担うときに活かせるマネジメント知識なども学べます。どの保育施設でも活かせる汎用性の高い知識を得られるでしょう。
 
参考:厚生省.「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要」.
 

保育に役立つ資格を取る

 
保育士のスキルアップやキャリアアップには、保育に役立つ資格を取るのもおすすめです。例えば、リトミック指導者資格やチャイルドコーチングアドバイザー、認定絵本士などです。
 
ここからは、保育に役立つ資格を紹介します。
 

リトミック指導者資格

 
リトミック指導者資格は、音楽教育に関わる資格です。リズム運動やキーボードなどの基礎的な指導技術が習得できます。取得方法は、リトミック研究センター各支局が開催している指導者養成コースを受講することです。
 
幼稚園・保育所などでリトミック指導を行える資格を取得できるため、音楽教育に力を入れている保育施設で活躍したい保育士におすすめの資格です。
 

チャイルドコーチングアドバイザー

 
チャイルドコーチングアドバイザーは、日本能力開発推進協会が発行している資格です。子育ての知識をはじめ、傾聴や承認、質問力などの専門的な知識が身に付く他、心理援助技術を学べます。
 
「子育てに関する基礎知識を深めたい」「子どもと保護者の立場に立って援助する技術を身に付けたい」という方に向いているでしょう。
 

認定絵本士

 
認定絵本士も、保育施設で役立つ資格の一つです。この資格は、いわゆる絵本の専門家になれる資格です。絵本に関する専門的な知識や感性を学び、子どもたちの健やかな成長のために絵本を活用していきます。
 
保育施設以外にも、図書館や地域の読み聞かせ会など、さまざまな場面で活用できます。「保育士としての強みを持ちたい」「自分自身も絵本が好き」という保育士におすすめです。
 
受講対象者は、認定絵本士養成講座を扱っている大学や専門学校などに在籍している学生です。認定絵本士を取得したい方は、保育士の資格取得とともに学校選びを行いましょう。
 

まとめ

 
本記事では、保育士の将来性がある理由を解説しました。最近は少子化問題が話題になることが多々あるものの、共働き世帯の増加や保育ニーズの多様化により、保育士の需要は減少していません。また、子どもや保護者の気持ちを汲み取りながら行う仕事のため、今後AIに仕事が取られる可能性も低くなっています。今後も、保育士は活躍し続けられる仕事です。
 
保育士として長く活躍したいと考えている方は、スキルアップや自分の強みを身に付けることが大切です。日本児童教育専門学校では、保育士資格や幼稚園教諭免許の取得はもちろん、認定絵本士の資格取得も可能です。専門性の高い保育士になりたい方は、日本児童教育専門学校で学んでみてはいかがでしょうか。
 

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