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保育士向けの補助金制度とは? 該当条件や内容について詳しく解説

公開日:2024年5月28日 更新日:2024年5月28日

保育士向けの補助金制度とは? 該当条件や内容について詳しく解説


資格を取得する際には、勉強する時間だけでなく、金銭的な負担もかかります。保育士の取得を目指す方の中には、できれば補助金制度を利用したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。実は、保育士を目指す方向けの補助金や支援制度はいくつかあります。ただし、該当条件や内容がそれぞれ異なるため、自分が利用できる制度を見極めなければなりません。

本記事では、保育士向けの補助金制度の該当条件や内容について解説します。これから保育士を目指すにあたって補助金制度を活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

※補助金は、一般的に「事業者の取り組みをサポートするために資金の一部を給付する」という意味で使われる言葉ですが、本記事では「保育士さんをサポートするための資金」のことを補助金として記載しています。そのため、給付だけでなく、貸付の意味を含んで使用している場合もあります。

目次

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保育士を目指す方向けの補助金・支援制度

保育士を目指す方向けの補助金・支援制度
保育士を目指す方向けの補助金・支援制度には、保育士養成施設に通う学生向けのものもあれば、すでに資格を取得しており、これから保育士として働こうとしている方向けのものなど、さまざまな制度があります。補助金・支援制度を利用したい方は、自分に合う条件のものを探しましょう。
 
ここからは、保育士を目指す方向けの補助金・支援制度をご紹介します。
 

保育士修学資金貸付

保育士修学資金貸付は、保育士養成施設に通う学生が修学資金の一部を借りることができる制度です。都道府県または指定都市、もしくは都道府県または指定都市が適当と認める団体が実施しています。
 
ここでは、一例として東京都の条件や内容をご紹介します。
 

貸付額 修学資金:月額5万円以内(総額120万円以内、原則2年間)
入学準備金(任意):20万以内就職準備金(任意):20万以内
生活費加算(別条件あり):在学期間中の生活費の一部として修学資金に加算して貸付
対象者 ・東京都在住(住民登録している)、または在学している養成施設の所在地が東京都内である方
・学業が優秀である方
・家庭の経済状況から、修学資金の貸付が必要であると認められる方
・他の都道府県や指定都市が実施する本制度を利用していない方
・養成施設卒業後、1年以内に指定の種別の施設に勤め、5年以上保育士業務に従事する意思がある方
返還免除の条件 ・保育士養成施設を卒業後、1年以内に保育士登録をし、指定の種別の施設に従事した
・卒業後5年間、継続して保育士業務に従事した
実施団体 東京都社会福祉協議会

 
実施団体別に条件や内容が異なる場合もあるため、より詳しく知りたい方は、住んでいる地域や通学する施設の所在地がある自治体が出している情報を確認してください。
 
参考:社会福祉法人 東京都社会福祉協議会. 「保育士修学資金貸付制度のご案内」.
 

参考:かながわ福祉人材センター. 「保育士修学資金貸付事業のご案内」.

 

保育士就職準備金貸付

保育士就職準備金貸付は、貸付対象となる保育施設などで保育士として就職・復帰する際の準備に必要な費用を借りられる制度です。利用する際には、勤務地の都道府県または指定都市、もしくは都道府県または指定都市が適当と認める団体に申請が必要です。
 
ここでは、一例として埼玉県の条件や内容をご紹介します。
 

貸付額 最大40万円
対象者 ・埼玉県内の保育所など(さいたま市を除く)で、週20時間以上、保育士として勤務することが決まっている方
返還免除の条件 ・埼玉県内の保育所など(さいたま市を除く)で、2年間保育士として従事する
実施団体 埼玉県社会福祉協議会 福祉人材センター

 
なお、埼玉県の場合は潜在保育士が短時間勤務者として就職する際に貸付を行う「潜在保育士就職準備金貸付」もあります。実施団体や年度によって、貸付金額や対象者、貸付人数の上限などが異なるため、早めに申請できるよう情報を集めておくといいでしょう。
 
参考:埼玉県社会福祉協議会 福祉人材センター. 「保育士就職準備金貸付」.
 

保育士試験による資格取得支援事業

保育士試験による資格取得支援事業は、保育士試験に合格して資格を取得した方が、市内の保育所などで保育士として働くことになったときに、資格取得にかかった費用を補助する制度です。都道府県、指定都市および中核市が主体となって実施しています。
 
ここでは、一例として川崎市の条件や内容をご紹介します。
 

支給額 対象経費の2分の1※最大15万円
対象者 ・保育士試験合格により資格を取得し、保育士登録後に川崎市内の認可保育所、
認定こども園、乳児院など、補助金交付の対象施設で勤務を開始した保育士、または保育教諭
補足 ・合格した筆記試験の日から起算して2年前のものまでが対象
・補講費や交通費、行事参加の費用、補助教材費などは対象外
・雇用保険法に定める教育訓練給付などを受けている場合は対象外
・勤務期間が1年に満たない場合は、給付金の返還を求められることがある
実施団体 川崎市役所

 
支給の上限額は、実施団体によって異なります。また、居住地によって支給対象者の制限を設けている県もあります。申請の際には対象地域の情報をしっかりチェックしておきましょう。
 
参考:川崎市役所. 「保育士試験による保育士資格取得支援事業」.
 

幼稚園教諭向けの保育士資格取得支援事業

幼稚園教諭向けの保育士資格取得支援事業は、幼稚園教諭免許を有する方が、指定保育士養成施設で保育士資格を取得する際にかかる費用の補助を行う制度です。これは、「認定こども園制度」への移行・促進のために設けられたもので、特例制度となっています。
 
ここでは、一例として川崎市の条件や内容をご紹介します。
 

支給額 養成施設の受講にかかった入学金や受講料、教科書・教材費などの合計額の2分の1(最大10万円)
対象者 ・幼稚園教諭免許を有しており、かつ保育士資格取得特例制度に該当する方で、
指定保育士養成施設で特例教科目を受講して保育士資格を取得後に保育士登録を完了し、市内の保育施設で保育士、または保育教諭として勤務を開始した方
補足 ・保育士修学資金貸付事業や雇用保険法に定める教育訓練給付などとの併用は不可
・勤務期間が1年に満たない場合は、給付金の返還を求められることがある
実施団体 川崎市役所

都道府県または指定都市によって申請に必要な資料が異なる他、必要な書類の提出期限がいくつか設けられている場合があります。例えば、川崎市の場合は、特例教科目の受講を開始した年度内に在学証明書を提出し、保育士登録が完了・保育士として業務を開始した当月末までに、保育士証の写しや勤務先を証明する書類などを提出しなければなりません。正しく申請するためには、計画的に進めることが重要です。
 
参考:川崎市役所. 「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得支援事業」.
 

日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構の奨学金は、保育士の学校に限らず、国内の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした奨学金です。
 
返済不要な「給付型奨学金」と、卒業後に返済が必要な「貸与型奨学金」があります。貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金、入学時に一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金があります。
 
高等学校または専修学校(高等課程)を卒業後2年以内の人であれば、進学前に利用予約ができますが、それ以外の方は進学後、在籍する学校を通じて申請しなければなりません。利用の可否は、生計維持者の収入、本人の学力などで判断されます。通学する学校の区分、自宅外通学かどうかなどにもよりますが、大学や短期大学、専門学校などであれば、貸与月額は2万〜6万4,000円ほどです。
 
参考:日本学生支援機構. 「奨学金制度の種類と概要」.
 

専門実践教育訓練給付金

 
専門実践教育訓練給付金は、雇用保険の教育訓練給付金の一つで、労働者の中長期的なキャリア形成を支援するための制度です。専門的・実践的な訓練が対象となっており、保育士も該当します。
 
支給額や対象者は、下記の通りです。
 

支給額 ・受講のために本人が支払った教育訓練経費の50%(年間上限40万円、最大3年)
※4,000円以下の場合は支給対象外
対象者 ・雇用保険の一般被保険者などであった方
※初めて専門実践教育訓練給付金を受給する場合は、支給要件期間(同一の事業主に雇用されていた期間)が2年以上あれば受給可能

 
受講終了後に資格を取得し、終了日の翌日から1年以内に働き始めた場合は、教育訓練経費の20%に当たる金額を追加で支給してもらえます。専門実践教育訓練給付金の詳細や申請方法が気になる方は、お住まいの地域のハローワークで確認してください。

参考:内閣府大臣官房政府広報室. 「専門実践教育訓練給付金とは」.
 

ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金

ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金は、母子家庭の母または父子家庭の父が、区の認める教育訓練講座を受講し修了した場合に、経費の一部が支給される制度です。各都道府県・市・福祉事務所設置町村によって実施されています。
 
ここでは、一例として中央区の支給額や対象者をご紹介します。
 

該当条件・内容
支給額 ・教育訓練の受講のために本人が支払った費用の60%※上限額は、講座によって異なる※12,000円以下の場合は支給対象外
対象講座 ・雇用保険制度の一般教育訓練給付、特定一般教育訓練給付、専門実践教育訓練給付の指定教育訓練講座
対象者 ・20歳未満の児童を扶養している母子家庭の母、または父子家庭の父
・児童扶養手当の支給を受けている、もしくはそれと同様の所得水準である
・就業経験、技能、資格の取得状況、労働市場の状況などから、講座を受けることが適職に就くために必要と認められること
※過去に本制度を受給している方は対象外

 
この制度は、全ての都道府県で設けられているわけではありません。実施しているかどうかは、お住まいの地域の窓口で確認が必要です。
 
参考:中央区役所. 「ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金」.
 
参考:東京都福祉局. 「母子家庭及び父子家庭自立支援給付金事業」.
 

ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金

 
ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金は、母子家庭の母または父子家庭の父が、対象資格の取得のため養成機関で修業している間の生活費の支援を目的に給付を行う制度です。申請の窓口は、各都道府県・市・福祉事務所設置町村です。
 
ここでは、一例として中央区の支給額や対象者をご紹介します。
 

支給額 ・区市町村民税課税世帯:月額7万500円(最後の12カ月は11万500円)
※カリキュラム終了後に、修了支援給付金として2万5,000円支給
・区市町村民税非課税課税世帯:月額14万1,000円
※カリキュラム終了後に、修了支援給付金として5万円支給
対象資格 就職の際に有利となるもの、
かつ養成機関において6カ月以上のカリキュラムの修業が予定されているもの例)保育士、
看護師、理学療法士、作業療法士、製菓衛生師、調理師など
対象者 ・20歳未満の児童を扶養している母子家庭の母、または父子家庭の父
・児童扶養手当の支給を受けている、もしくはそれと同等の所得水準である
・就業又は育児と修業の両立が困難である
・養成機関において6カ月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれる
支給期間 修業に要する全期間(上限4年)※支給申請された月から開始

 
こちらの制度も、前述のひとり親家庭自立支援教育訓練給付金と同様、全ての都道府県で設けられているわけではありません。また支給額や支給期間の上限は、実施団体や取得する資格によって変わる場合があります。利用を検討している方は、事前によく調べて利用しましょう。
 
参考:中央区役所. 「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金」.
 
参考:東京都福祉局. 「母子家庭及び父子家庭自立支援給付金事業」.
 

まとめ

保育士を目指す方向けの補助金や支援制度
保育士を目指す方向けの補助金や支援制度は、保育士養成施設に通う学生向けのもの以外にも、初めて保育士として働く方向けのものやひとり親家庭の母・父向けのものなど、いろいろな種類のものがあります。利用条件はさまざまですが、条件が合えば金銭的な負担を抑えて資格を取得することが可能です。
 
日本児童教育専門学校では、補助金や支援制度を活用しながら保育士の資格取得を目指せます。日本学生支援機構や東京都が提供している奨学金制度など、さまざまな制度を利用可能です。また、職業訓練の指定校であるため、専門実践教育訓練給付金も利用できます。
 
日本児童教育専門学校には、週3日通学するコースや夜間に通えるコースなど選択肢がいくつかあるため、自分の生活スタイルに合ったコースを選択可能です。在籍している学生は年齢層が幅広く、いろいろなキャリアの方がいます。「保育士として活躍する」という新しい夢の実現に向けて、一緒に学びませんか。
 

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