保育士コラム

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保育士処遇改善手当とは何か給与への影響をやさしく解説

保育士処遇改善手当とは何か給与への影響をやさしく解説

「処遇改善手当って、結局いくらもらえるの?」と給与明細を見て首をかしげた経験はありませんか?保育士の処遇改善手当は、保育士不足を解消するために国が設けた給与補助の仕組みです。ただ、種類が複数あったり支給条件があったりと、わかりにくいのも事実。この記事では、処遇改善手当の基本的な仕組みから、自分の給与にどう反映されるかまで、初めて学ぶ方にもわかりやすく解説します。

目次

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保育士処遇改善手当とは?仕組みをわかりやすく解説

保育士処遇改善手当とは?仕組みをわかりやすく解説

保育士処遇改善手当とは、保育士の給与水準を引き上げることを目的に、国が施設に対して補助金を支給する制度です。補助金を受け取った施設が、職員の給与や手当に上乗せして支払う流れになっています。まずは制度ができた背景と、3つの区分の内容を押さえておきましょう。

処遇改善手当が作られた背景と目的

保育士の平均給与は、長年にわたって全産業平均を大きく下回っていました。2013年時点での保育士の平均月収は約21万円で、全産業平均より5万円以上低い水準だったとされています(厚生労働省「保育士の現状と主な取組」)。給与の低さが離職や人材不足に直結していたため、国は保育の質と量を維持するために処遇改善に乗り出しました。

2013年に始まった「処遇改善等加算Ⅰ」を皮切りに、2017年には「処遇改善等加算Ⅱ」、2022年には「処遇改善等加算Ⅲ」と段階的に制度が拡充されてきました。目的は単純で、「保育士が長く安心して働ける環境をつくること」です。給与が上がれば離職が減り、保育の担い手が安定して確保できるという考え方が根本にあります。

処遇改善手当の種類(3つの区分)

保育士処遇改善手当とは何か、制度の変遷を知るうえで大切なのが「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲと、令和7年度からの3つの区分への一本化の歴史」です。これまでの処遇改善等加算は3種類(Ⅰ〜Ⅲ)でしたが、令和7(2025)年度からは1つの加算の中で3つの区分(区分1〜3)に整理される形へと再編されています。まずは制度の成り立ちを表で確認してみましょう。

区分 開始年 主な目的 支給対象
処遇改善等加算Ⅰ 2013年 保育士等の賃金改善とキャリアパス整備(基礎的な賃金改善) 保育所等に勤務する全職員(平均経験年数に応じた昇給等)
処遇改善等加算Ⅱ 2017年頃 職務分野別リーダー等の専門性・経験に応じた追加的賃金改善 職務分野別リーダー、副主任保育士、専門リーダー等
処遇改善等加算Ⅲ 2022年 保育士等のベースアップ(継続的な賃金引上げ) 保育所等に勤務する職員全体の賃金の底上げ原資

処遇改善等加算Ⅰは、キャリアパス要件や職場環境等要件などを満たす保育所等が算定でき、受け取った原資は職員の賃金改善計画に基づいて保育士等へ配分されます。処遇改善等加算Ⅱは、キャリアアップ研修を修了した職務分野別リーダーや副主任保育士・専門リーダーなど、経験・技能のある職員への重点的な賃金改善を目的とした加算です。処遇改善等加算Ⅲは2022年度から始まったベースアップ等の加算で、保育士等の賃金引上げ(ベースアップ)を継続的に支援するための補助となっています。

2026年からの制度一本化で何が変わる?

現在の3区分は複雑でわかりにくいという声が多く、2026年度をめどに加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを一本化する方針が示されています(内閣府「子ども・子育て支援新制度」関連資料)。

一本化後は、勤続年数やキャリアに応じたシンプルな体系に整理される予定です。具体的には、以下の方向性が検討されています。

  • 全職員を対象とした基本的な賃上げ分を一本化
  • キャリアや役職に応じた加算部分を明確に区分
  • 施設側の申請手続きを簡略化して支給漏れを防ぐ

まだ詳細は調整中の部分もありますが、この一本化によって「自分がどの手当をいくらもらえるのか」が以前より把握しやすくなることが期待されています。就職活動中の方は、2026年以降の制度変更も視野に入れて情報を確認しておくとよいでしょう。

処遇改善手当はいくらもらえる?給与への影響を確認しよう

 処遇改善手当はいくらもらえる?給与への影響を確認しよう

「実際のところ、毎月いくら増えるの?」というのが一番気になるところですよね。区分ごとに金額の目安と、給与明細への反映のされ方を確認してみましょう。

区分ごとの金額の目安

各加算の金額は施設の状況や個人の条件によって変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。

区分 月額の目安 備考
処遇改善等加算Ⅰ 施設・加算率により異なる 施設区分や賃金改善の配分方法で変動
処遇改善等加算Ⅱ(リーダー職) 月額5,000円〜40,000円 副主任・専門リーダーで異なる
処遇改善等加算Ⅲ 制度資料を要確認 処遇改善を目的とした加算

加算Ⅱの金額幅が特に大きく、副主任保育士や専門リーダーには月額40,000円、職務分野別リーダーには月額5,000円が加算される設計になっています。これらを合算すると、キャリアを積んだ保育士では月額5万円以上の上乗せになるケースもあります。

一方で加算Ⅰは、施設区分や加算率・賃金改善の配分方法によって受け取り額が変わる仕組みになっています。単純に「〇円程度」と一概にはいえないため、保育士処遇改善手当とはどのくらいもらえるものか気になる方は、勤め先の施設に具体的な配分方法を確認してみるのがおすすめです。同じ職種でも勤め先によって受け取り額に差が出やすい点は、ぜひ頭に入れておいてください。

給与明細のどこに反映される?

処遇改善手当は、施設によって給与明細上の表記が異なります。よくある記載例は以下の通りです。

  • 「処遇改善手当」として独立した項目で表示
  • 「職務手当」「資格手当」などにまとめて含まれる
  • 基本給に組み込まれている

国の補助金が施設を経由して職員に支払われる仕組み上、施設側がどの形で分配するかは一定の裁量があります。そのため、給与明細に「処遇改善手当」という項目が見当たらなくても、基本給や別の手当に含まれている場合があります

逆に言えば、明細だけでは本当に手当が支給されているか判断しにくいこともあります。勤め先に「処遇改善手当の支給状況を教えてほしい」と確認するのが確実です。就職活動中であれば、面接や見学の際に「処遇改善手当はどのように給与に反映されますか?」と質問してみるのがおすすめです。

処遇改善手当をもらえる人・もらえない人

処遇改善手当をもらえる人・もらえない人

処遇改善手当は、すべての保育士が必ずもらえるわけではありません。勤め先の施設の種別や自分の雇用形態によって、対象になるかどうかが変わります。

対象となる施設と職員の条件

処遇改善手当(処遇改善等加算)は、「子ども・子育て支援新制度」に参加している施設が対象です。具体的には以下の施設が該当します。

  • 認可保育所(公立・私立)
  • 認定こども園
  • 地域型保育事業(小規模保育・家庭的保育など)
  • 幼稚園(新制度移行済みのもの)

これらの施設に常勤職員として勤務していることが、基本的な受給条件です。加算Ⅱについては、さらにキャリアアップ研修の修了や特定の役職への就任が求められます。施設が補助金を受け取った上で、各職員への分配方法を決める流れになるため、勤め先が加算を申請しているかどうかも確認ポイントのひとつです。

パート・派遣保育士は対象になる?

パートタイムや派遣で働く保育士が対象になるかどうかは、雇用形態と施設の方針によって異なります。

加算Ⅰ・Ⅲについては、非常勤職員やパート職員も対象に含まれる設計です。ただし、支給額は常勤換算の割合に応じて按分されるのが一般的なので、フルタイムの常勤職員より少なくなるケースが多いです。

派遣保育士の場合は、補助金が施設側(派遣先)に支給される仕組みのため、派遣スタッフには原則として手当が渡らない場合があります。派遣会社を通じた給与に処遇改善分が含まれているかどうかは、派遣元に確認するのが確実です。

「パートだからもらえない」と決めつけず、勤め先に問い合わせてみることをおすすめします。

対象外となるケース

以下のケースは、処遇改善手当の対象外になることがあります。

  • 認可外保育施設に勤務している:子ども・子育て支援新制度の対象外のため、補助金が支給されない
  • 企業主導型保育事業の施設に勤務している:制度の仕組みが異なるため、同加算の対象にならない(独自の処遇改善策がある場合も)
  • 勤め先の施設が加算の申請をしていない:対象施設でも申請しなければ補助金は入らず、職員への支給もされない
  • 加算Ⅱの研修要件を満たしていない:リーダー職加算は研修修了が必須なので、未受講の場合は対象外

施設が加算を申請しているかどうかは、職場の担当者や法人の給与担当者に確認することで把握できます。「申請しているはずなのに給与に反映されていない」と感じたら、早めに確認してみましょう。

自分の処遇改善手当を確認する方法

自分の処遇改善手当を確認する方法

「自分は実際にいくらもらっているの?」と気になったとき、どうやって確認すればよいのでしょうか。具体的な手順を紹介します。

① 給与明細を確認する

まず手元の給与明細を見て、「処遇改善手当」「職務手当」「資格手当」などの項目がないか探してみましょう。記載がない場合でも基本給に含まれているケースがあるので、明細だけで判断するのは早計です。

② 職場の担当者に聞く

一番確実なのは、職場の給与担当者や施設長に直接聞くことです。「処遇改善手当は支給されていますか?どの項目に含まれていますか?」とシンプルに質問すれば、内訳を教えてもらえます。聞きにくいと感じるかもしれませんが、労働条件の確認は働く人の正当な権利です。

③ 就業規則・給与規程を確認する

施設の就業規則や給与規程には、手当の種類と支給条件が明記されているはずです。入職時に受け取っていない場合は、法人の事務担当者に「給与規程を確認したい」と申し出れば対応してもらえます。

④ 転職・就活中なら面接で確認する

就職活動中の方は、面接や施設見学のタイミングで確認するのがベストです。

「処遇改善手当はどのように支給されていますか?給与明細のどの項目に反映されますか?」

このように具体的に質問することで、施設側の誠実な対応かどうかを見極める材料にもなります。処遇改善手当の支給状況は施設ごとに異なるため、複数の施設を比較するときの判断基準のひとつにしてみてください。

⑤ 公的な情報を参照する

制度の詳細や最新の補助単価は、内閣府のウェブサイト厚生労働省の保育士処遇改善関連ページで確認できます。制度改正が続いているため、気になったときに最新情報をチェックする習慣をつけておくと安心です。

まとめ

まとめ

この記事では、保育士処遇改善手当の仕組みと給与への影響について解説しました。

  • 処遇改善手当は保育士不足解消のために国が設けた給与補助の制度
  • 加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3区分があり、それぞれ目的と対象が異なる
  • 月額の上乗せはキャリアや役職によって数千円〜5万円以上と幅がある
  • 給与明細への反映方法は施設によって異なり、基本給に含まれることもある
  • 認可外施設や派遣など、対象外になるケースがある点にも注意

「給与が低いな」と感じているなら、まず自分の職場に処遇改善手当がきちんと支給されているか確認してみましょう。制度を正しく知ることが、納得のいく働き方への第一歩になります。2026年の制度一本化に向けた動向も、引き続きチェックしておくとよいでしょう。

保育士処遇改善手当とはについてよくある質問

保育士処遇改善手当とはについてよくある質問

処遇改善手当は毎月もらえるものですか?

基本的には毎月の給与に上乗せされる形で支給されます。ただし、施設によっては一部を賞与(ボーナス)の形で支給するケースもあります。具体的な支給サイクルは勤め先に確認しましょう。

処遇改善手当に税金はかかりますか?

はい、処遇改善手当は給与所得として扱われるため、所得税・住民税の課税対象になります。また、社会保険料の計算にも含まれます。

保育士資格を持っていれば必ずもらえますか?

資格を持っているだけでは受給は保証されません。勤め先が処遇改善等加算を申請している対象施設であることと、自分が支給条件を満たしていることが必要です。

転職すると処遇改善手当はどうなりますか?

転職先の施設で改めて適用されます。前の職場での勤続年数は引き継がれないため、加算Ⅰのように勤続年数で金額が変わる部分はリセットされることがあります。

処遇改善手当をもらいすぎた場合、返金が必要になることはありますか?

職員個人が返金を求められるケースは通常ありません。施設側が申請内容と実態と異なると判断された場合は、施設と国・自治体の間で調整が行われます。

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この記事の監修者
保育の豆知識 編集チーム
保育の豆知識 編集チーム

日本児童教育専門学校 講師
保育の豆知識 他

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