保育士コラム
幼稚園と保育園の違いがすごくわかる進路選びガイド
「幼稚園教諭になりたいけど、保育士との違いがよくわからない」「進路を決める前に、幼稚園と保育園の違いをきちんと理解しておきたい」。そんな高校生や保護者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、幼稚園と保育園の違いを目的・対象年齢・預かり時間などの観点から整理し、進路選びに役立つ情報をわかりやすくお伝えします。
目次
非表示
幼稚園と保育園の違いを一覧表で確認しよう

幼稚園と保育園の違いには、管轄する省庁や対象年齢、預かり時間など、いくつものポイントがあります。まずは全体像をつかむために、主な違いを一覧表にまとめてみました。細かい内容は後の章で詳しく解説しますので、ここではおおまかな違いをイメージしてみてください。
| 項目 | 幼稚園 | 保育園 |
|---|---|---|
| 管轄 | 文部科学省 | こども家庭庁(制度全体の所管)、厚生労働省(児童福祉法に基づく所管行政庁) |
| 種類 | 教育施設(学校) | 児童福祉施設 |
| 対象年齢 | 満3歳〜就学前 | 0歳〜就学前 |
| 預かり時間 | 4時間程度が標準(1日4時間が標準的な教育時間) | 原則8時間(保育標準時間認定で最大11時間程度) |
| 主な目的 | 幼児期の教育 | 保育に欠ける子どもの保育(養護と教育) |
| 必要な資格 | 幼稚園教諭免許 | 保育士資格 |
こうして並べてみると、同じ「就学前の子どもが通う場所」でも、目的や仕組みがかなり異なることがわかります。特に保育園については、こども家庭庁が制度全体の企画立案や総合調整を担う一方、実際の設置・認可や運営基準など児童福祉法に基づく所管行政庁としての役割は、引き続き厚生労働省が担っているという点も覚えておくとよいでしょう。また、預かり時間も認定区分によって幅があるため、実際の利用時間は自治体や園によって異なる場合がある点にも注意してみてください。
このように、幼稚園と保育園の違いは制度や運用によって少しずつニュアンスが変わってきます。次の章からは、それぞれの施設についてもう少し詳しく見ていきましょう。
幼稚園とは?目的と役割をわかりやすく解説

幼稚園は、学校教育法に基づいて設置される「学校」です。小学校や中学校と同じく学校の一種に位置づけられており、幼稚園が学校教育法に基づく学校であり、文部科学省が所管しています。満3歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児を対象に、集団生活を通じて心身の発達を促す教育を行う場所です。幼稚園と保育園の違いを知るうえで、この「学校」としての位置づけはまず押さえておきたいポイントです。
幼稚園の目的は、幼児期にふさわしい環境の中で、遊びを通した学びを提供することにあります。文字や数字の学習だけでなく、友だちとのかかわり方や社会性を身につけることも大切な役割です。文部科学省が定める「幼稚園教育要領」に沿って、健康、人間関係、環境、言葉、表現という5つの領域をバランスよく育んでいきましょう。
幼稚園の1日の教育課程に係る教育時間は、4時間を標準としています。就労要件がなく利用できる園が多いのも特徴です。最近は預かり保育を実施する園も増え、共働き家庭でも通いやすい環境が整ってきています。とはいえ、あくまで教育を目的とした施設という位置づけは変わりません。
幼稚園教育要領には「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」と明記されています。
参考: 文部科学省 幼稚園教育要領
このように幼稚園は、教育を軸にした施設であることをまず押さえておきましょう。幼稚園と保育園の違いを理解することで、お子さんに合った園選びのヒントになるはずです。
保育園とは?目的と役割をわかりやすく解説

保育園は、児童福祉法に基づく「児童福祉施設」で、正式名称を保育所といいます。保育所の運営は、児童福祉法に基づき厚生労働省や市区町村などの地方自治体が中心となって担っており、こども家庭庁は子ども・子育て支援制度など政策面を担う立場です。保育所は乳児から小学校就学前までの子どもを幅広く対象としており、幼稚園は満3歳以上の幼児を対象とする点が、幼稚園と保育園の違いのひとつといえるでしょう。
保育所は、児童福祉法第39条に基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設です。単に子どもを預かるだけでなく、保育所保育指針に基づき、養護と教育を一体的に行う場所として位置づけられています。おむつ替えや食事の介助といった生活面の支援から、遊びを通じた発達支援まで幅広く担っているのが特徴です。
保育所の保育時間には区分があり、保育標準時間認定では1日最大11時間、保育短時間認定では1日最大8時間まで利用できる仕組みになっています。実際の開園時間や通常保育の時間帯は自治体や施設ごとに異なりますので、詳しくはお住まいの自治体や利用予定の園に確認してみてください。共働き家庭の暮らしを支える存在として、多くの家庭に利用されているのではないでしょうか。
保育所を利用するには「保育の必要性」の認定が必要です。一方、幼稚園は満3歳以上の子どもを対象とし、教育標準時間認定を受けて利用する仕組みになっており、この点も保育所とは制度が異なるところです。
参考: こども家庭庁 保育所保育指針
保育園は、働く保護者を支えながら子どもの育ちを見守る福祉的な役割を持つ施設だと理解しておくとよいでしょう。
幼稚園と保育園の5つの主な違い

ここまで幼稚園と保育園それぞれの特徴を見てきましたが、両者の違いをより具体的に整理してみましょう。幼稚園と保育園の違いは、主に管轄省庁、対象年齢、預かり時間、目的、必要な資格という5つの観点から見ると分かりやすくなります。進路選びの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
保育園は、保育標準時間認定では1日あたり最長11時間、保育短時間認定では1日あたり最長8時間の利用が可能です。ただし、各施設等が定める基本保育時間を超えて利用する場合は延長保育として扱われ、延長保育料が必要になりますので注意しましょう。保護者の就労状況等に応じて認定区分が決まり、利用できる時間帯は家庭ごとに異なります。
このように、幼稚園と保育園では預かり時間の考え方も異なるので、事前にしっかり確認しておくと安心でしょう。
保育所で保育士として働くには、原則として保育士資格が必要です。保育士資格は国家資格で、厚生労働大臣または都道府県知事が指定する保育士養成施設を卒業する方法と、保育士試験に合格する方法の2通りで取得できます。指定保育士養成施設には大学・短期大学・専門学校などがあり、定められた課程を修了して卒業した場合には、保育士試験の受験は不要で、卒業後の申請により保育士資格を取得できます。ご自身に合った方法を選んでみてください。
違い① 管轄省庁と施設の種類
幼稚園と保育園の違いを知るうえで、まず押さえておきたいのが管轄省庁と施設の種類です。幼稚園は文部科学省が所管する「学校」であり、学校教育法に基づいて設置されています。一方、保育園(保育所)はこども家庭庁が所管する「児童福祉施設」であり、児童福祉法に基づいて設置されていますが、実際の認可や監督については都道府県や政令指定都市などの地方公共団体が担っている点も知っておくとよいでしょう。
この違いは、単なる管轄先の違いにとどまりません。学校である幼稚園は学校教育法に基づいて教育及び保育を提供する場、児童福祉施設である保育園(保育所)は児童福祉法に基づいて生活面のケアを含めた養護と保育を提供する場、という制度上の性格の違いにつながっているのです。とはいえ、どちらの施設も子どもの育ちを支える大切な役割を担っている点では変わりないので、そこは安心してくださいね。
なお、両方の機能を併せ持つ「幼保連携型認定こども園」という施設も増えており、こちらは認定こども園法、学校教育法及び児童福祉法に基づいて設置される「学校かつ児童福祉施設」です。所管についても、文部科学省とこども家庭庁に加え、都道府県や政令指定都市などの地方公共団体が一体となって担う仕組みになっています。進路を考える際は、こうした新しい施設形態についても知っておくと視野が広がるでしょう。
このように、幼稚園と保育園の違いを理解しておくと、将来どちらの施設で働きたいかを考えるヒントにもなります。制度の背景を知ったうえで、自分に合った進路を選んでみてください。
違い② 対象年齢
幼稚園の対象年齢は、満3歳から小学校就学の始期に達するまでとされています。ゼロ歳児や1、2歳児は原則として入園できませんが、自治体や園によっては満3歳未満児を受け入れているケースもあるようです。
これに対して保育園は、施設によっては産休明けの生後57日頃から受け入れており、自治体や園によっては生後3か月以降などから受け入れる場合もあります。保育園は、原則として0歳から小学校就学前までの子どもを対象とする施設です。このように、幼稚園と保育園の違いのひとつに、受け入れ対象となる年齢の幅があげられます。乳児期からの保育に対応する施設があるのは、保育園の特徴のひとつといえるでしょう。
年齢層の違いは、そのまま保育・教育の内容にも影響していきます。0歳児には授乳やおむつ替えなど生活援助が中心となる一方、幼稚園の年少・年中・年長では集団活動や学習的な要素を含む活動が多くなる傾向にあります。将来どの年齢層の子どもとかかわりたいかも、進路選びの大事な視点になるでしょう。
違い③ 預かり時間
預かり時間の違いも、幼稚園と保育園を分ける大きなポイントです。幼稚園の教育時間は1日4時間程度が標準で、多くの園が9時頃から14時頃までの利用となっています。
一方、保育園は保護者の就労を支える施設のため、原則8時間、延長保育を利用すれば最長11時間程度まで預けられる園がほとんどです。朝7時頃から夜19時、20時頃まで開所している園も珍しくありません。
最近では幼稚園でも「預かり保育」を実施し、保育園に近い時間まで子どもを預かるケースが増えています。とはいえ基本の教育時間は変わらないため、預かり保育はあくまでオプション的な位置づけと考えるとわかりやすいでしょう。
違い④ 保育・教育の目的
幼稚園は「教育」、保育園は「養護と教育」を一体的に行う点が目的の大きな違いです。幼稚園は幼稚園教育要領に基づき、遊びを通じた学びによって子どもの発達を促すことを目指しています。
保育園は保育所保育指針に基づき、生命の保持や情緒の安定といった養護面のケアを土台にしながら、教育的な関わりも行います。たとえるなら、幼稚園が「学びの土台づくり」に重点を置くのに対し、保育園は「暮らしと学びの両方を支える」役割を担っているイメージです。
どちらも子どもの健やかな成長を願う点は共通していますが、アプローチの重心が異なることを理解しておくと、それぞれの現場で求められる関わり方の違いも見えてきます。
違い⑤ 必要な資格・免許
幼稚園で働くには「幼稚園教諭免許状」が必要です。この免許は文部科学省が認定するもので、大学や短期大学、専門学校などで所定の科目を履修し、卒業と同時に取得を目指すのが一般的な流れです。
保育園で働くには「保育士資格」が必要になります。保育士資格は国家資格で、厚生労働大臣が指定する養成校を卒業する方法と、保育士試験に合格する方法の2通りで取得できます。
なお、多くの専門学校や大学では幼稚園教諭免許と保育士資格を同時に取得できるカリキュラムが用意されています。両方の資格を持っていれば、幼稚園にも保育園にも、さらには認定こども園にも就職の道が開けるため、進路の選択肢を広げたい方にはおすすめの選び方です。
幼稚園教諭と保育士、どちらを目指すべき?進路選びのポイント

幼稚園と保育園の違いがわかったところで、次に気になるのは「自分はどちらを目指せばよいのか」という点でしょう。ここでは進路選びの参考になる視点をいくつか紹介します。
まず考えたいのは、どの年齢の子どもと関わりたいかです。乳児期からじっくり育ちを見守りたいなら保育園、集団での学びや遊びを通した教育に関心があるなら幼稚園が向いているといえます。
働き方の面でも違いがあります。保育園は早朝や夜間のシフト勤務があり、行事以外にも日々の生活援助業務が多い傾向です。幼稚園は教育活動が中心で、行事準備や教材作成といった仕事にやりがいを感じる方に合っているでしょう。
迷っている場合は、次のような方法で理解を深めるのがおすすめです。
- オープンキャンパスで幼稚園教諭・保育士それぞれの授業内容を体験してみる
- 実際に幼稚園や保育園でボランティア・見学をしてみる
- 幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を取得できる学校を検討する
迷ったまま決めきれない場合は、両方の資格を取得できる学校を選ぶという選択肢もあります。在学中に現場を経験しながら、自分に合った働き方をじっくり見極めていく方法も十分に選択肢に入るでしょう。
まとめ

幼稚園と保育園の違いは、管轄省庁、対象年齢、預かり時間、目的、必要な資格という5つの観点から整理できます。幼稚園は文部科学省が管轄する学校教育法上の教育施設で、満3歳から小学校就学前の子どもを対象に、1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準としています。一方、保育園(保育所)はこども家庭庁が所管する児童福祉法上の児童福祉施設で、児童福祉法に基づき、0歳から就学前の子どもを対象に、原則として1日8時間を基準とする保育を行っています。また、幼稚園で働くには幼稚園教諭免許状が、保育所で働くには保育士資格が必要です。
このように幼稚園と保育園の違いを知っておくと、進路選びの際にもきっと役立つでしょう。どちらを目指すか迷っている方は、関わりたい子どもの年齢や、興味のある仕事内容から考えてみてください。保育士資格と幼稚園教諭免許を同時に取得できるカリキュラムを設けている養成校を選べば、進路の幅を持たせたまま学びを深めていくこともできます。この記事が、皆さんの進路選びの一助になればうれしいです。
幼稚園と保育園の違いについてよくある質問

-
幼稚園と保育園はどちらが費用が高いですか?
- 幼稚園・保育所・認定こども園などでは、2019年10月から3歳から5歳児クラスの利用料が原則無償化されています。0歳から2歳児クラスについては、保育の必要性の認定を受けた住民税非課税世帯のお子さんが対象です。対象となる施設は保育所や認定こども園だけでなく、一定の条件を満たした幼稚園の預かり保育や認可外保育施設なども含まれますので、「保育園だけが対象」というわけではありません。幼稚園と保育園の違いを考えるときは、こうした無償化の仕組みもあわせて確認しておくと安心ですね。ただし給食費や行事費などは別途必要になることが多いので、詳しくは各自治体や施設に問い合わせてみましょう。
-
幼稚園教諭免許と保育士資格は両方取得できますか?
- 多くの専門学校や大学、短期大学では、幼稚園教諭免許と保育士資格を同時に取得できるカリキュラムが組まれています。両方を取得しておくと、幼稚園・保育園・認定こども園のいずれでも働ける可能性が広がるため、就職先の選択肢を増やしたい方にはおすすめです。
-
認定こども園と幼稚園・保育園はどう違うのですか?
- 認定こども園は、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ施設です。教育と保育を一体的に提供している点が特徴で、幼稚園と保育園の違いを補うような存在ともいえるでしょう。利用にあたっては認定区分があり、1号認定のお子さんは保護者の就労状況にかかわらず利用できますが、2号・3号認定のお子さんについては保護者の就労などによる「保育の必要性」の認定が必要になります。0歳から就学前までのお子さんを受け入れている施設もあり、保育所型などでは長時間の保育を行っているケースもあります。
-
幼稚園教諭と保育士、給与に違いはありますか?
- 勤務先や地域、経験年数によって差があるため一概には言えませんが、公立か私立か、園の規模や運営方針によっても給与水準は変わってきます。就職活動の際は、給与だけでなく勤務時間や福利厚生もあわせて比べてみてくださいね。
-
幼稚園教諭と保育士のどちらの需要が高いですか?
- 共働き世帯の増加にともない、保育園や認定こども園のニーズは高い状態が続いています。一方で幼稚園も、預かり保育の充実などで需要が保たれているといわれています。どちらの資格も社会的に必要とされているので、興味のある分野を軸に選んでみてはいかがでしょうか。
日本児童教育専門学校 講師
保育士になるためには 他
保育士になるためには 編集チームでは、保育士の方、保育士を目指している学生、社会人の方に、保育士のなり方や働き方、保育に関する情報を発信していきます。
保育士・幼稚園教諭免許の資格取得なら東京都新宿区高田馬場にある保育士専門学校の「日本児童教育専門学校」へお問い合わせください