保育士コラム

保育士のためのSNS活用術:情報発信と注意点

最近では、保育の現場でもSNSを活用する人が増えてきましたね。 製作アイデアを共有したり、日々の保育の気づきを発信したりと、SNSは保育士にとっての「学び」と「つながり」の場として、大きな役割を果たしています。 でもその一方で、投稿内容や使い方を間違えると思わぬトラブルにつながることも。 今回は、保育士が安心してSNSを活用できるように、メリットと注意点、避けたいNG投稿、園としての運用方法について、わかりやすくまとめました。
目次
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保育士がSNSを使うメリットと発信スタイル
SNSは、忙しい毎日の中でも手軽に情報を得たり、発信したりできる便利なツールとして、今やさまざまな世代の人が利用しています。
たとえば、保育関係の投稿を検索してみると…
製作アイデアや声かけのヒント、行事の準備など保育に役立つ情報をすばやく集められるだけでなく、自分の実践や想いを発信することで同じ保育士同士がつながるきっかけにもなります。
また、投稿を記録として残すことで、自己表現の場になったり、副業や今後のキャリアにも活かせる可能性も。
ここでは、保育士がSNSを使うメリットと発信スタイルについて見てみましょう。
SNS活用のメリット
- 情報収集がスムーズに
製作、壁面、声かけ、行事準備など保育に役立つ情報が手軽に手に入る - 同業者とつながれる
SNSで気軽にコメントやDMのやり取りができ、孤独を感じにくくなる - 自己表現・実績の記録
自分の保育観を発信することで、副業や将来のキャリア形成にもつながる
発信スタイルの例
保育士の発信にはさまざまなスタイルがあります。
- Instagram
製作や壁面の写真、園の取り組みなどのビジュアル発信に強い - X(旧Twitter)・ブログ
保育への思いや日常のつぶやきなど、文章中心の発信に向いている - YouTube・Vlog
保育士ライフや園での1日を動画で紹介。フリーランスや講師業にも◎
SNS活用で気をつけたい!保育士が守るべきマナーとNG投稿
SNSは、保育の楽しさや子どもたちの成長の様子を発信できる、とても便利なツールです。でもその一方で、投稿の仕方によっては誤解を招いたり、信頼関係を損ねてしまうリスクもあります。
安心してSNSを活用していくために、保育士として気をつけたいマナーや注意点をしっかり確認しておきましょう。
個人情報・プライバシーの保護は最優先
まず大切なのは、園児や保護者、職員などの個人情報やプライバシーをしっかり守ることです。写真やコメントなどの投稿で、特定の個人がわかってしまうような内容は、必ず事前に同意を得ることが基本です。
顔写真や名前はもちろん、制服や園の外観、ロゴなども特定につながる可能性があります。
【個人情報・プライバシーの保護のために】
● 園児の顔が写った写真は、保護者の個別の同意を取ることが必要です ● 制服や園バス、園名が写っている写真は、園の方針に従って慎重に扱いましょう ● 保護者との会話内容や相談事は、たとえ良かれと思っても投稿はNGです |
保護者の信頼を守る=園の信頼を守ることにつながります。
投稿前のチェックは必ず複数人で
SNSは、投稿した瞬間にたくさんの人の目に触れます。そして一度広がった情報は、削除しても完全には取り消せないことがあります。
だからこそ、「本当にこれで大丈夫かな?」という視点で、複数人でのチェック体制を整えておくと安心です。
【投稿前にチェックしたいポイント】
● 内容は正確か? ● 配慮に欠ける表現はないか? ● 子どもや保護者のプライバシーに配慮されているか? ● ネガティブな印象を与える写真やコメントはないか? |
たとえば、ふざけた写真や子どもが泣いている場面など、投稿者に悪意がなくても「見る人」にとって不快に映ることも。
「誰が見ても安心できる投稿か」を意識しましょう。
著作権・利用規約の確認は基本マナー
インターネットにはたくさんの素材があふれていますが、何でも自由に使っていいわけではありません。写真・イラスト・音楽・フォントなど他の人が作ったものには著作権があります。
【素材を使うときに確認すること】
● フリー素材でも「SNS利用可」「商用利用可」かを必ずチェック ● 引用元の明記が必要な素材は、必ずルールに従う ● キャラクター画像やアニメの使用は、原則NG |
著作権侵害は、園の信頼や法的リスクに関わる重大な問題です。「きちんと確認する」ことを当たり前のマナーとして身につけましょう。
※著作権については文化庁のガイドラインもあわせて確認しておくと安心です。
不満・内部事情の発信は絶対にNG
職場での出来事や気持ちを誰かに聞いてもらいたくなること、ありますよね。ですが、それをSNSで発信してしまうのはとても危険です。
たとえ個人アカウントでも、内容が広がれば園全体の信頼が失われてしまうことも。
【投稿してはいけない例】
● 同僚や保護者への愚痴やネガティブなコメント ● 保育の方針や職場の不満 ● 内部でしか知りえない事情や情報 |
こうした内容は、見る人の信頼を一瞬で失わせてしまう可能性があるため、絶対に避けましょう。
感情をそのまま投稿するのではなく、まずは園内での相談・解決を大切に。
SNSは、正しく使えば保育の魅力をたくさんの人に伝えることができる、心強い存在です。でもその一方で、使い方を間違えれば、大切な信頼を失ってしまうことも。
だからこそ、「マナーを守って安全に活用すること」「誰かの立場に立って考えること」
この2つを大切にしていきましょう。
保育士としてのやさしさと、社会人としての責任感を持ちながら、信頼される発信者を目指していけたら素敵ですね。
保育園のSNS運用の考え方について
保育園としてSNSを活用する際には、個人のアカウントとは異なる「園としての責任」と「発信の目的」をしっかりと理解しておく必要があります。
公式アカウントの情報発信は、園の理念や雰囲気を伝える大切な手段です。だからこそ、写真の使用許可や投稿内容のルールを明確に定めておくことで、保護者との信頼関係を大切にしながら、安全でスムーズな運用が可能になります。
園公式アカウントと個人アカウントの違いを理解する
園公式のSNSは、あくまで園全体の「顔」としての役割を持ちます。
個人アカウントのような自由な発信はできず、園の理念や方針に基づいた内容である必要があります。
園公式アカウント | 個人アカウント | |
投稿の目的 | 園の魅力・活動の紹介
地域・保護者との関係構築 |
自身の保育観や学び、日々の気づきなどの記録・交流 |
表現の自由度 | 園方針に沿った表現が求められる | 比較的自由(ただし園の信用を損なわないよう注意) |
責任の所在 | 園(運営側) | 投稿者本人 |
ポイント
- 園のSNSは「広報活動」の一環。園を代表して発信しているという意識を持ちましょう。
- 園と個人のアカウントはしっかり分けて運用することが重要です。
写真使用の許可とガイドラインの整備
園児の写真をSNSに投稿する際は、必ず保護者の同意を得る必要があります。トラブルを防ぐためにも、同意書を文書で取り交わしておきましょう。
写真使用のチェックポイント
- 顔がはっきり写っている写真 → 個別に同意を得る
- 後ろ姿や手元のみ → 園で一括同意してもらうケースも
- 園名や制服などが写っている場合 → 園の方針として明記しておく
ガイドラインに含めたい内容
- 投稿の目的と方針
- 使用するSNSの種類(例:Instagram、Xなど)
- 投稿内容の承認フロー
- 写真・動画の掲載基準
- 不適切な投稿例の共有
ポイント
- ガイドラインは職員全体で共有・定期的に見直すことが大切です。
- 新任職員には運用ルールを研修時にしっかり伝えておくと◎。
保護者とのトラブルを防ぐための注意事項
保護者との信頼関係を損なわないためには、次のような点に注意しましょう。
避けたい投稿例
- 園児の顔が写っている集合写真(同意を得ていない場合)
- 保護者からの連絡内容に関する投稿
- 子ども同士のトラブルや怪我など、デリケートな話題
- 保護者や子どもに対する不満をにおわせる表現
トラブルを防ぐ工夫
- 定期的に保護者向けにSNSの運用方針を共有
- 写真使用の可否は、入園時の書類に含める
- 「SNSで発信してよい場面」と「控えるべき場面」を園内で共有
ポイント
- 保護者の立場に立って「もし自分の子どもだったら」と考える視点がとても大切です。
- 信頼を築くためにも、「慎重すぎるくらい」でちょうど良いという意識で運用しましょう
まとめ
SNSは、保育士としての学びやつながりを深め、仕事の幅を広げるための心強い味方です。ただし、発信するうえではマナーやリスク管理も欠かせません。
正しく使えば、保育の魅力をより多くの人に伝えることができ、自分の成長や未来のキャリアにもつながります。保育現場での実践を発信したり、同じ志を持つ仲間とつながることで、日々の保育がもっと楽しく、やりがいのあるものになるでしょう。
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日本児童教育専門学校 講師
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