保育士コラム
保育士コラム
公開日:2021年9月17日 更新日:2021年9月17日
将来、幼稚園の先生になるか、保育士になるか、迷う方も多いのではないでしょうか。幼稚園と保育園は対象が子どもという点では同じですが、管轄や目的、対象年齢、必要な資格などは異なります。資格取得を目指す前や就職活動を始める前に、それぞれの違いを知っておくことが大切です。
この記事では、高校生・社会人の方に向けて、幼稚園と保育園の違いなどを詳しく紹介していきます。就職した場合のメリットやデメリットについても解説しますので、ぜひお役立てください。
目次
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幼稚園と保育園では所轄の省庁や目的、対象年齢などが異なります。ここでは、それぞれの特徴について説明していきます。
幼稚園を所轄するのは文部科学省、施設の区分は学校または教育施設になるため、法律は「学校教育法」が適用されます。
3歳児(満3歳)~5歳児(満5歳)の子どもが対象です。就学前の幼児が対象で、乳児は対象とならない点が保育園との違いです。
幼稚園の目的は、集団生活の中で教育的な学びを提供することです。家庭ではできない集団での生活や遊びを通して、教育を行い、子どもたちの発達を促します。
幼稚園は、それぞれの年齢に合った遊具や遊びで子供たちの豊かな心を養う教育施設です。これによって、就学前の子供たちに小学校に向けた学びの意欲を高めることを目的としています。
保育園を所轄するのは厚生労働省で、施設の区分は児童福祉施設になるため、適用される法律は「児童福祉法」です。
保育園の対象年齢は0歳の乳児から5歳児(満5歳)までの子どもで、3歳以上になれば就学前教育も行われます。
保育園の目的は、あくまでも「保育」が中心です。就労などを理由に、日中子どもを保育できない保護者に代わり、子どもの健全な成長をサポートするのが保育園です。
保育園では保護者の代わりに食事や排せつなどの支援のほか、年齢に合った遊びや基本的生活習慣を整えることを目指します。3歳以上になれば幼稚園と同じように就学に向け、学校教育への意欲を向上させるための指導も行われます。
幼稚園と保育園では、どちらも子どもたちから「先生」と呼ばれます。しかし、実際には必要な免許が異なるので解説していきます。
幼稚園教諭免許とは、幼稚園の先生になるために必要な資格です。幼稚園で仕事をするための資格なので、基本的にはほかの施設で働くことはできません。また、資格取得の時期によっては有効期限があるため注意が必要です。
保育士資格は、保育園以外の施設でも働くことができる資格です。保育園以外では、乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設、学童クラブ、託児所など多くの就職先があります。幼稚園教諭資格よりも就職先の選択肢が多いので、就活時には自分に合った場所を選びやすいでしょう。
なお、保育士資格は、一度取得すれば免許の更新は不要です。
ここでは幼稚園や保育園、それぞれの平均月収や賞与を紹介します。保育士については、生活水準向上のために、政府主導の家賃補助制度の導入が進んでいる点にも注目しましょう。
政府の統計によりますと、2019年の幼稚園教諭の平均月収は24.41万円です。これは、10人以上の規模の企業を対象に調査したもので、賞与等の額は73.79万円となっています。幼稚園教諭の平均月収は特に高いとは言えませんが、賞与等を含めるとそれほど低いというわけでもありません。
保育園の平均月収は24.45万円、賞与等の平均額は70.06万円です。幼稚園教諭と比較すると月収はほとんど変わりなく、賞与額では幼稚園のほうが約3.7万円高くなっています。家賃補助制度の導入が進めば、実質的には幼稚園教諭の給料とほとんど同じくらいになるでしょう。
ここでは、幼稚園と保育園それぞれのメリットやデメリットについて紹介します。それぞれが持つ両面を知っておきましょう。
幼稚園のメリット・デメリットを把握しやすいように、それぞれを箇条書きで紹介します。
・夏休みなど長期の休園期間があるため、比較的長期休暇を取りやすい
・勤務時間が固定されている場合が多いので予定を立てやすい
・運動会など行事が入っていなければ土曜出勤がない
・教材の準備や事務仕事などやるべきことが多いため、残業が多くなりやすい
・複数担任制でない1人でのクラス担任の場合は休みがとりにくい
次に、保育園で働くメリット・デメリットを確認しましょう。
・対象年齢が幅広いため、比較的長期にわたって子どもの成長を見守れる
・複数担任制のクラスの場合は精神的・肉体的負担が軽減される
・乳児も預かることがあるので子育てのスキルが身に付く
・幼稚園よりも開園時間が長いため、勤務体制によっては時間の融通がきかない
・長期の休園期間がないため長期休暇がとりにくい
幼稚園と保育園は、未来を担う子どもたちに関わる重要な仕事であることに変わりはありません。ただし、子どもの対象年齢や目的、給料などには違いがあります。必要な資格も異なるので、希望する施設で働くためには違いを知っておくことが大切です。
幼稚園と保育園、それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで選択するようにしましょう。そのうえで、自分が子どもの「教育」と「保育」のどちらを優先したいのかを考えてみることをおすすめします。
日本児童教育専門学校Japan Juvenile Education College
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